混沌J2の今後を展望するLIVE(J論)【4/10(木)21時】

宇都宮徹壱ウェブマガジン

松本山雅が「採算性」よりも重視したこととは何か 前社長と社外取締役が語る「山雅塾」の本質<2/3>

88000円の受講料を払って何を求めているのか?

──山雅塾の開講にあたって「料金設定を固めていくのにも12カ月過くらいかかって」というお話がありました。私もブックライター塾を始めるにあたって、料金設定や定員をどれくらいにするのか悩んだので、非常によくわかります(笑)。結果として、料金は88000円で定員が30名。どれだけ集まるか、やっぱりドキドキでしたか?

神田 そうですね。毎日、気になってGoogleフォームを覗いていました。募集期間も2週間と短かめだったので、けっこうやきもきしてしまいましたね。最終的には定員の半分を少し超えるくらいの応募者が集まって、ほっとしました。

──受講者数に関して、米田さんはどんなイメージを持っていましたか?

米田 神田さんたちはすごく慎重で、最少催行人数を1桁くらいで考えていたようです。私はもっと集まるとは思っていましたけれど、たとえ2人や3人であっても絶対にやるべきだと思っていました。というのも、これだけクラブの経営陣が登壇するビジネススクールなんて、そんなにないですから。価格帯についても、スポーツ界の中ではリーズナブルですし。

 ここで大事なことが2点あって、まずクラブとしての覚悟みたいなものが、少人数であっても来てくださった方々にきちんと伝わること。それと価格に見合うだけのコンテンツをしっかり作って、受講された方々に納得感を持っていただけるだけのコミュニケーションを取っていくこと。いわゆる「採算性」よりも、そちらのほうが重要だと思っていました。

──結果として、定員の半分くらいの受講者を集めることになったわけですが、皆さんの属性はどんな感じだったのでしょうか? 私がお邪魔した時は、ボランティアグループのTEAM VAMOSの方々が何人かいらしたようですが。

神田 VAMOSの皆さんもそうですし、山雅のサポーターの方々もいらっしゃいました。それ以外だと、スポンサー企業の会長さんとか、スポーツビジネスを学んでいる学生さんとか。職業もお医者さんから銀行員までさまざまでしたね。けっこう、濃いメンバーが集まりました。

──受講者の皆さんの質問や意見を聞いてみて、彼ら彼女らが何を求めていると感じましたか?

米田 もちろん、学びも半分くらいあるかなと思うんです。けれども、それ以上に「山雅と何かを一緒にやりたい」とか「山雅をなんとかしたい」みたいな思いを持っている方が、とても多いという印象ですね。山雅塾を通じて、クラブとの関わり方を模索したり、自分の強みを活かせる場所を求めていたり、そういう感じの方が多いですね。

──つまり「自分ごと」として、山雅を捉えようという人たちが集まってきたと。そこが、サポーターミーティングとの違いなのかもしれないですね。もちろんサポミにも、当事者意識を持った人たちが、少なからずいるとは思います。ただ、社長やGMを吊し上げる場面もあるじゃないですか(苦笑)。山雅塾とサポミを比べて、神田さんはどんな違いを感じていますか?

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