【無料公開】「サッカーで飯を食う」ことへの親の反応は? 令和の大学生が考える「就職先としてのJクラブ」<2/3>
写真提供:FC町田ゼルビア
■「Jクラブに就職したい!」に親からの反応は?
──ここまでの皆さんのお話から浮き彫りになったのが、FC町田ゼルビアというクラブは、インターン生にかなりの裁量権を与えているということでした。任されるということは、やりがいを感じる一方でプレッシャーもあるかと思うのですが、その点はいかがでしょうか?
篠崎 ゼルビアというクラブのために、何にでもチャレンジができる環境というのは、本当にありがたいですよね。感謝の気持ちしかないです。
神戸 それと社員さんたちからも「これ、どう思う?」と聞いてくださることがけっこう多いんですよ。こちらの意見を受け入れていただくこともけっこうあると思います。
眞道 私自身は「やってみない?」と言われる時って、けっこうプレッシャーを感じることのほうが多くて、上手くいかなかった時には申し訳ない気持ちになります。それでも社員さんに報告すると、きちんとフィードバックしていただけるのは、すごくありがたいですね。それとインターン生はSlackで日報を出すことになっているんですけど、他の人の日報を読んで学びになることも多いです。きちんと言語化されている日報は、とても参考になります。
──それだけクラブ側がインターン生に期待していて、実際に新卒採用しているというのは興味深い傾向だと思います。皆さんもご存じかと思いますが、これまでJクラブというのはずっと中途採用がメインでした。加えて学生の就職先として考えた場合、週末は休めないし、給料だってそれほど高いわけではない。皆さんも、いろいろ情報を集めていたと思うんですが、正直なところ、リアルな「就職先としてのJクラブ」って、どのように捉えていたんでしょうか?
篠崎 僕自身は正直、ネガティブに捉えたことは一度もないですね。サッカーが大好きということもあるんですが、自分がやりたいと思っていることが実現できる環境がある、というのがJクラブに対する認識です。しかも中途採用のほうが多い中で、新卒として働けるチャンスをいただけたことは、自分にとって光栄なことですので、頑張りたいという思いしかないです。
神戸 私も篠崎くんと近いところがあって、自分の好きな事を仕事にしたいっていう思いが強くありました。それはエンタメ業界やイベント業界も同じだったんですが、自分自身はもともとプレーヤーとしてサッカーにも関わっていた時代があったんですよ。ですので、最終的には大好きなサッカーに関わることができて良かったと思っています。
眞道 私もサッカーが好きだから、この職に就きたいという考えがまずありました。もちろん条件面というのも大事ですけど、まずはやりたい仕事というのが先にありましたね。それと採用してくださったクラブの方が、この仕事の魅力について語っていただいたことも個人的には嬉しくて、私の中で迷いはなかったです。
──皆さんの中で、ご両親から反対、もしくはいい顔をされなかった人はいます? あ、眞道さんが挙手しましたね。
眞道 反対というわけではないですが、金沢だと自宅から通えないというのが、親がいい顔をしない理由としてありましたね。あと、就職が決まるタイミングが遅かったことにも、気をもんでいたみたいです。ただ、9月に就職が決まったことを報告した時は「やりたい仕事に決まってよかったね」と言ってもらえて、少し安堵しました。
──神戸さんと篠崎さんは、特に反対されたことはなかったですか?
神戸 私はなかったですね。
篠崎 母は心配していたみたいですね。僕の父はもともと映画の仕事をしていて、今は大学教授として自分の好きなことを突き詰める生き方をしていたので、そういう意味で理解はあったと思います。どんな仕事も大変なんだから、好きなことをやればいいと。ただ、それで生活するのは大変だとも言われました。
──ちなみに2023年卒の大学生の場合、就職は前年と比べてどうだったんでしょうか?
篠崎 去年はまだコロナの影響があって大変だったみたいですけど、今年は少し状況がよくなったという話は、いろんなところで聞きますね。
<3/3>につづく