【無料公開】「三笘復活」に注目が集まる中、大敗した鹿島に期待したいこと(2024年7月24日@国立)
パリ五輪開催に伴い、17日間の中断期間に入ったJ1リーグ。その合間を埋めるように、欧州クラブによるジャパンツアーが始まった。今回は、水曜日に国立競技場で開催された、ブライトン&ホーヴ・アルビオンvs鹿島アントラーズを取材。さっそく試合を振り返ってみよう。
- 怪我からの復帰戦を日本で迎えた三笘薫。国立のピッチに立つのは昨年3月24日のウルグアイ戦以来。
- フレンドリーマッチであるが、鹿島のゴール裏は通常モード。ホームに近い空気を作り出していた。
- サポーター以上に鹿島の選手たちも本気モード。先のFC東京戦から7人がスタメンに名を連ねた。
- 川崎時代の三笘と対戦経験があるのは三竿健斗と土居聖真のみ。それでも勘どころは押さえている。
- しかし15分にブライトンが先制。新加入のガンビア代表、ヤンクバ・ミンテにあっさり決められる。
- 20歳の新鋭は、その後もたびたび鹿島ゴールを脅かすも、早川友基の的確な判断で追加点を許さず。
- 前半は1失点で終えた鹿島だが、51分にジェレミー・サルミエントに追加点を決められてしまう。
- その後も74分までに3失点を食らって5点差に。力の差は明らかだが、何とか一矢報いてほしい。
- その願いは84分に達せられる。鈴木優磨からの浮き球パスを受けたのは、後半から出場の徳田誉。
- ワントラップから1点を返した17歳のストライカーに、かすかな光明を見出したところで試合終了。
- 本気モードの鹿島に対して、最後まで手を抜かなかったブライトン。1-5というスコアは必然だった。
今年2月に腰の怪我でチームから離脱し、アジアカップ招集も見送られた三笘薫。この試合は45分のみの出場で、存分に持ち味を発揮したとは言い難かったが、それでも「三笘復活」を十分に印象付ける内容であった。
三笘が去った後半の45分は、鹿島の反撃に注目した。現在、首位のFC町田ゼルビアに5ポイント差の3位。この中断期間は主力を休ませ、フレンドリーマッチは若手中心で臨むという選択肢もあったはずだ。
それだけに、前節から4人を入れ替えただけのスタメンには、正直驚いた。のみならず、鈴木優磨は84分までプレー。公式戦でなくても、あくまで勝負にこだわる鹿島らしさこそ感じられたものの、圧倒的な選手層の違いがスコアに表れる結果となった。
試合後の小泉文明社長のポストには、補強を求めるサポーターの心の叫びが幾重にも連なっていた。チャヴリッチが怪我で戦線離脱した中、鈴木の負担がこれ以上増えることへの危惧は、もちろんフロント陣にも共有されているはずだ。
Jリーグを取材する立場からすれば、このまま町田の独走を許すことは避けてほしいところ。ブライトン戦での大敗が、鹿島に何かしらの変化をもたらすことを期待したい。
<この稿、了>