風間八宏氏の南葛SC監督就任が実は意外ではない理由 今年5月の取材から浮上する4つのキーワードとは何か
今週のコラムは、別のテーマを準備していた。ところが昨日(11月7日)、それを吹き飛ばすようなニュースが飛び込んできたため急きょ、この話題について論じることにしたい。
https://twitter.com/nankatsu_staff/status/1721693952213151799
関東リーグ1部所属の南葛SCの次期監督に、あの風間八宏さんがテクニカルダイレクター兼任で就任するという。この衝撃的なニュースはネットを通じてまたたく間に広がり、南葛SCの公式サイトは一時サーバーがダウンするほどの騒ぎとなった。
サッカーどころの清水で、1961年に生まれた風間さんは筑波大学を卒業後、当時の西ドイツで5年間プレーしたのちにマツダSCに「逆輸入」の形で入団。サンフレッチェ広島のキャプテンとしてJリーグ開幕を迎え、日本人初ゴールも記録している。1997年にドイツで現役を引退。桐蔭横浜大学サッカー部(1997~2004年)、筑波大学蹴球部(2008~12年)の監督を務める一方で、JFAやJリーグの理事、そして解説者としても活躍している。
ちなみにS級ライセンスを取得したのは2004年。その理由について「別に(Jクラブの)監督をやりたいと思ったからではなくて『解説者をやっているから、いちおう取っておくか』くらいの感じだったんですよ」と語っている。その後、川崎フロンターレ(2012~16年)、名古屋グランパス(2017~19年)の監督を歴任。川崎では黄金時代の礎を築き、名古屋では1シーズンでのJ1復帰を果たしたことは記憶に新しい。
そして2021年からは、セレッソ大阪アカデミーの技術委員長に就任。育成現場の指導は初めてだったが、年齢や性別にとらわれないスペシャルなトレーニング「スペトレ」や、育成の指導者向けの講習「風間塾」が話題を呼び、昨年はセレッソのU-18とU-15、そしてU-18ガールズが夏のクラブユース選手権の頂点に立っている。
ここまでのキャリアを振り返ると、なぜ風間さんがJ1から数えて5部に相当する関東1部を新天地に選んだのか、なかなか見えてこないだろう。幸い私は今年5月、大阪で風間さんに取材する機会を得ていた(参照)。あらためてインタビュー起こしを読み返すと、今回の衝撃的なニュースが「実は意外ではなかったのではないか」と思えてくる。
風間さんのユニークなキャリアを理解するには、4つのキーワードを理解する必要があるだろう。すなわち「5年以上いない」「熱意あるオファー」「ワクワクできるか」、そして「勝利よりも大切なもの」。以下、先の取材での風間さんのコメントを引用しながら、解説していく。
(残り 1615文字/全文: 2735文字)
この記事の続きは会員限定です。入会をご検討の方は「ウェブマガジンのご案内」をクリックして内容をご確認ください。
ユーザー登録と購読手続が完了するとお読みいただけます。
会員の方は、ログインしてください。
外部サービスアカウントでログイン
Twitterログイン機能終了のお知らせ
Facebookログイン機能終了のお知らせ