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【無料公開】「国立開催」と「無料招待」の狙いとは? 空前のプロモーションについてJリーグに訊く<3/3>

Jリーグとして初めての試み」だったプロモーション

──今年に入って、われわれ取材する側の間では「Jリーグ離れが進んでいるのではないか」という危惧があります。感染リスクというのもありますが、声出し応援禁止が続いていること、そして週末のスタジアム観戦の習慣が失われたことも、大きな要因であると考えられます。デジタルマーケティングの話から少し離れるかもしれませんが、こうした状況について笹田さんのお考えはいかがでしょうか?

笹田 声出し応援に関しては、コアサポーターは解禁を求めている方が多いと思いますが、声出しになるのが怖いと感じる方もいらっしゃるのではないかと感じています。それと習慣が失われたことについても、全体の2割くらいの方はしばらく戻ってこないのではないかというのが、データから読み取ることができます。その一方で、このGWJリーグ以外のエンタメやレジャーでも、徐々に客足が戻ってきています。本当にコロナ次第ですが、状況に応じながらコツコツ戻していくしかないですね。

──すでに夏休みに向けて準備をされているかと思いますが、あらためてGWでの一連のプロジェクトを終えて、皆さんの感想をいただければと思います。まずは丸山さん、いかがでしょうか?

丸山 サッカーの攻守でいうと、今回は攻めになるわけですけれど、こちらからアクションを起こしていかないと得られないものだなと実感しました。誰が決めたわけでもないんですが、何となく「Jリーグはこういうやり方」みたいなものがあって、それに縛られていた部分はあったと思うんです。ある種の見えない天井を打ち破ってチャレンジすることの大切さを再確認できました。ワールドカップの影響で、今シーズンは例年より早く終わりますから、なるべく前倒しでいろんなことを進めていきたいですね。

勝澤 繰り返しになりますが、クラブの皆さんが実現させたいことを、われわれリーグも一体感をもって進めていく。そのことの重要性を、あらためて感じました。各クラブのマーケティング担当の皆さんが、それぞれ集客のヒントになるようなアイデアを持ち寄って、それを一緒に進めていったという感じです。それ以外にも、CMを打つにあたってTV局や代理店の皆さんから「もう一度Jリーグを盛り上げよう」ということで、いろいろご尽力いただきました。とても感謝の思いに溢れた施策だったと思います。

──最後に笹田さん、まとめていただけますか?

笹田 丸山と勝澤の言葉にもありましたが、やっぱり攻めないとダメですし、ステークホルダーの皆さんにも感謝しかないですね。これだけ大きなプロジェクトを動かすために、けっこう大きな予算をわれわれに託していただきましたから、責任感をもってやりきることができたのはよかったと思います。

 マーケティングに関して言えば、これだけの規模のプロモーションを年間でプランニングして実行したというのは、実はJリーグとしても初めてのことだったんですよ。個人的には、こうしたプロモーションを定番化できる第一歩になったのかなと思っています。そして1回限りではなく、今後も継続的に続けていくことで、改善を積み重ねていきたいと思っています。

──Jリーグがそこまで考えて、こうしたプロモーションを行ってきたという事実は、ファン・サポーターとも共有していただきたいところですね。今回の取材が、その一助になればと思います。笹田さん、丸山さん、勝澤さん、ありがとうございました

<この稿、了>

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