セネガル戦が行われるエカテリンブルグってどんなとこ? 改訂版『どこよりも早い!2018ロシアガイド』服部倫卓(文・写真)
■ヨーロッパとアジアの境界線上に
日本にとっての第2戦となるセネガル戦が開催されるのが、エカテリンブルグである(最後の濁点なしで「エカテリンブルク」と読まれるケースもある)。
ウラル地方の中心都市であるこの街は、ロシア史上最高の名君とされるピョートル大帝が18世紀初めに建設したのが始まりであり、ピョートルの妻であるエカテリーナの名をとってエカテリンブルグと名付けられた。ソ連時代には社会主義革命家のヤコヴ・スヴェルドロフにちなんでスヴェルドロフスク市と改名していたが、1991年に元のエカテリンブルグ市に戻されている(ただし、同市を中心とする州の名は今もスヴェルドロフスク州のまま)。
ところで、FIFAワールドカップはこれまで、さまざまな大陸で開催されてきた。ただ、2つの大陸にまたがって開催されるのは、2018年のロシア大会が初めてのはずだ(おそらく、最初で最後になるのではないか)。むろん、ロシアはUEFAに加盟しており、サッカーの大陸区分では、ヨーロッパの国ということになる。しかし、地理的な観点から言えば、ロシアの国土はヨーロッパとアジアの両方に広がっている。
その際に、ロシアではウラル山脈が欧亜の境界を成すと考えられている。そして、2018年のワールドカップの11の開催都市のうち、今回取り上げるエカテリンブルグが、唯一アジア側に位置する都市なのである。下の地図に示した赤い線が欧亜の境界線であり、エカテリンブルグはわずかにその東側に位置している。
エカテリンブルグから西に40kmほどのペルヴォウラリスクという街には、ここがヨーロッパとアジアの境界線であることを示すオベリスクが立っている。同様のモニュメントはロシア国内に何カ所か見られるが、私の知る限り、ペルヴォウラリスクのそれが一番立派である。トップに掲げた写真の左側がヨーロッパ、右側がアジアとなっている。
(残り 2903文字/全文: 3688文字)
この記事の続きは会員限定です。入会をご検討の方は「ウェブマガジンのご案内」をクリックして内容をご確認ください。
ユーザー登録と購読手続が完了するとお読みいただけます。
会員の方は、ログインしてください。
外部サービスアカウントでログイン
Twitterログイン機能終了のお知らせ
Facebookログイン機能終了のお知らせ