桜を愛でながら日本代表の戦いを振り返る ワールドカップ・アジア2次予選総括討論会
このたびの九州地方の大地震で被災された方々に、心よりお見舞い申し上げます。被災地においては、一日も早い復旧をお祈り申し上げます。(徹マガ編集長・主筆 宇都宮徹壱)
さて、今回は久々に日本代表を取り上げることにしたい。3月に行われたワールドカップ・アジア2次予選(24日アフガニスタン戦、29日シリア戦)が終わった直後、サッカー関係者による花見が行われた。そこで同業者で幹事役の河治良幸さんから「せっかくみんな集まるので、徹マガの公開討論会にしませんか?」という、有り難い提案をいただいた。テーマは「アジア2次予選総と最終予選展望」である。
周知のとおり、日本はアジア2次予選を7勝1分け0敗、27得点・0失点という堂々たる成績で首位通過した。シンガポールとの初戦に0-0で引き分けたのは誤算だったが、その後は決定力不足も解消され、アウエーのシリア戦に勝利して以降は最終予選を想定したさまざまなテストも試みられた。しっかり結果を出しながら、チームの成長を促すハリルホジッチのチームマネジメントは、もっと評価されてよいだろう。
今回の公開討論会では、満開の桜を愛でながら、アジア2次予選で見られた指揮官の采配とチームマネジメントを振り返り、さらには最終予選(この時点ではまだ組合せは決まっていない)を展望してゆく。なお、ご参加いただいた皆さんには、この場を借りて御礼を申し上げたい。(実施日:2016年3月31日@東京)
■シリア戦での「ボランチ原口」をどう見るか?
――今日はよろしくお願いします。まず、この3月に行われたアフガニスタン戦とシリア戦から話をスタートしたいと思います。河治さんはこの2試合に点数を付けるとしたら、何点ぐらいですか?
河治 基準にもよるんですけど、チャレンジという意味では90点ぐらい付けたいなと。2次予選突破という結果が求められる中で、あれだけのことをテストできたのはすごく有意義でした。ただ、ピッチ内でのパフォーマンスという意味では、75点くらいかな。
――アフガニスタン戦では新しいシステムと新戦力でのトライ、そしてシリア戦ではいつものメンバーで勝ちきって失点ゼロで締める。結果も含めて、それぞれよくやってくれたと思います。もっともシリア戦に関しては、これまで目立たなかった守備面でのアラが目立った試合内容となりました。
河治 シリア戦でハリルホジッチ監督は「とにかく引かないでやれ」と徹底して言っていました。守備のリスクを負ってでも、前にかなりの人数を残してクロスから積極的にゴールを狙って、あの結果(◯5-0)になりました。シリア戦って、極端なことを言えば引き分けでも首位突破が決まっていて、それでも、今できる自分たちのマックスをあそこで一度示しておこうというのはすごく感じられました。もちろん、最終予選で対戦する相手はもっと強いわけですけど、現時点でああいう戦い方にトライしたのは、とても意味があることだと思いました。
――この間の2試合に関して、何か質問のある方いらっしゃいますか? あ、MCタツさんが手を挙げていますね。
タツ シリア戦で原口(元気)がボランチで途中出場していましたけど、どう思いました?
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