RYUKYU SOCCER PRESS

☆無料掲載:第104回天皇杯沖縄県大会決勝直前公式記者会見 「ぶつかり合う」と両者の思惑一致

 

写真:県サッカー協会の石原聡社会人委員長、沖縄SV・小野木玲監督、FC琉球OKINAWA・金鍾成監督、県サッカー協会の玉城吉貴会長

 

沖縄県サッカー協会(OFA)は9日、沖縄県体協スポーツ会館でタイムス杯争奪OFA 第29回沖縄県サッカー選手権大会(兼 天皇杯JFA第104回全日本サッカー選手権大会沖縄県予選大会)の決勝戦直前公式記者会見を開催。決勝進出チームのJ3リーグ・FC琉球OKINAWAから金鍾成監督、そして沖縄SVは小野木玲監督が出席し、12日(日)に南城市陸上競技場での決勝戦に向けて決意をにじませた。

 

会見では、主催団体代表として沖縄県サッカー協会の玉城吉貴会長が冒頭で挨拶。「現在5位で先のルヴァンカップでガンバ大阪に勝利したFC琉球OKINAWAと、JFL3位に立つ沖縄SVという好調チーム同士の戦い。県内のサッカーファンと関係者にとっても大変興味深い決勝戦であり、子どもたちに夢を与えられるような白熱した好ゲームを期待しています」と激励した。

 

これまで16回の本戦出場経験のあるFC琉球OKINAWAの金監督は決勝戦に向けて「大会を重ねるに連れて我々と沖縄SVさんの力はどんどん拮抗してきている。その中で行われる今大会は非常に意義深いことであり、どういうゲームになるのか、どちらか勝つのかという興味が県全体で上がり、我々にとってやりがいのある試合になると思っています。我々はどこと対戦するにあたっても全力で戦って代表権を勝ち取る。天皇杯は沖縄県の名前を背負って戦っていく大会ですので、リーグ戦とは違って沖縄県を代表するという気持ちで一つでも多く上へ進み、沖縄県代表としてのチームの気概を表現していきたいと思ってます。全力を尽くします」と抱負を語った。

 

そして2年ぶり5度目の出場権獲得を狙う沖縄SVの小野木監督は「沖縄県の頂上決戦であり、普段は戦えないFC琉球との試合は非常に楽しみにしていました。格上との試合ですが自分たちらしさ、沖縄SVらしさを全開に出して試合に臨みたいと思っています。それが沖縄県のサッカーの発展につながればとも思ってますので、ピッチ内で躍動するプレーを見せられるよう準備して臨みます」と意気込みを明かした。

 

その後の記者陣との質疑応答は以下の通り。

 

――お互いのチームの印象は。

金監督:これまでの試合のスカウティングもしてますし、シーズン開幕前に(非公開で)トレーニングマッチをしていますがその時の肌感というか力感というところで今年思ったのが、積み上げてきたものがチームとしてしっかり表現できているなという感じがあります。我々は良い準備で臨まなければならないと思っています。

小野木監督:FC琉球の印象としては非常にアグレッシブで攻撃的なチーム。そこに対して僕らも変わらず攻撃的なものを打ち出そうとしているので、試合自体非常に白熱したゲームになればと自分自身ワクワクしている状況です。当日は全国各地でも決勝が行われますが、その中でも日本一熱い試合がしたいなと思っています。

 

――目前のタイトル獲得に向けて、チームの雰囲気は。

金監督:ここ数日連戦が続いていましたが、やはり選手というのは週に2回試合があってもサッカーがしたいものであると。やればやるほど体のしんどさや辛さよりも、試合が出来るという楽しみを少しずつ感じてきてるのかなと思います。例年にない(日程の)密度で今やっていて、その中でリーグ戦でもそうですが少し疲れたり気を無意識に抜いたりして全くゲームが上手く運べないっていう試合もいくつかありました。そういうところを繰り返しながらやはり1試合に向かうっていうことが準備も含め、どれぐらい入りが大事なのかっていうところは少しずつ選手たちが感じてきてるかなという段階です。なので日曜日に向けてある意味普段と変わらず、一つのゲームに集中していくっていう準備をしている最中です。

小野木監督:通常のリーグ戦と同様、週末に向けた準備をするというのは変わらないです。さらに今回は沖縄県の決定戦なので、プラスアルファでやっぱり選手自身もそこにかける意気込みや意欲というものはいつもより増しているかなというのはグラウンドの中で感じるところがあります。日常の目の前に来る試合と、目の前にいる対戦する相手に対していかに準備するかっていうのに注力していますがその相手がFC琉球なので、選手たちもこの一戦にかける思いというのはやっぱり強いのかなというのは感じています。

 

――監督同士の印象は。

金監督:僕の実家が浦安、彼が船橋とのことである意味同郷なので、より負けたくないなと(笑)。今年の沖縄SVさんのサッカーを見ているとしっかりとボールを動かしながら、すごく見てて楽しくなるようなゲームをしているなと感じています。小野木監督と思考するものと同じ方向性なのかなと。しっかり正面でぶつかっていければなと思います。

小野木監督:Jリーグの世界で数々のチームで監督されているというキャリアと、いろんなご経験をされてるところにはシンプルにリスペクトしてるっていうところがまず第1にあります。プレシーズンでは試合をさせていただいたり試合の前後で話しをさせていただいて、そういったところから選手が見せるプレーや攻撃的の部分も含めてやっぱり見習うところはありますし、そこから吸収できるものは何なのかっていうのは考えているつもりです。ただこの試合に関してはこちらも同様に勝ちたいという思いが強いので、僕らも全開でぶつかりに行きたいと思って今準備をしているところです。

 

――勝つためのポイントは。

金監督:我々はどこと対戦するときもギリギリなところを攻めていこうという考え方ですので、どのチームであっても中に入れるパスを相手が狙ってくる。そこをかわせればチャンスになるし、奪われればピンチになる。その辺はいつもと同じです。そこで選手がやり切れればペースがつかめて結果はついてくるだろうし、やりきれなければ厳しいゲームになって今まで落とした試合もありましたので、その辺のやり方はまったく変わらず手の内を明かすというか、今までやってきてることなのでそんなことはもうスカウティングされてると思ってますので、その辺でしっかり球際であったり勝負際のところでやり切れるようにというのがポイントになるのかなと思っています。

小野木監督:所属するカテゴリーも上なのはもちろん重々承知した上で、ただそういうチームだからこそ受けに回らないといいますか、自分たちから攻撃する、自分たちから仕掛けるんだっていうところのマインドを持ってしっかりとした準備とゲームへの入り方を大事にしていきたいなと思っています。もちろん相手に優位に立たれることも当然あると思いますけども、しぶとく粘り強く、だけど受けには回らないっていうその姿勢だけは崩さず戦っていきたいなというふうに思っています。

 

――金監督にお尋ねします。カテゴリーでは一つ下のチームを相手に追われる立場で負けられない状況にいるかと思います。その難しいシチュエーションを乗り越えるためには。

金監督:少し失礼な言い方をすると、そこは周りの見る人たちが勝手に追われている、追ってるっていうカテゴリーで分けているだけでして、先ほどもお話ししたようにトレーニングマッチをしたときも全くそういう違いだとかを感じませんでした。リーグ戦を戦うときも、我々が(ルヴァンカップで)ガンバ大阪、藤枝と戦ったときも、そして今回沖縄SVさんと戦うときもいかに同じように戦えるかっていうところが追求するサッカーの形なので、僕自身はやりづらさを全く感じていません。

 

天皇杯沖縄県大会決勝は12日(日)、南城市陸上競技場で13時開催。栄冠に輝いたチームは今月26日(日)にエディオンピースウイング広島にて広島県代表の福山シティFCと1回戦を戦う。

 

 

取材・編集:仲本兼進(RYUKYU SOCCER PRESS)

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