☆無料掲載:2024.5.12 タイムス杯争奪 OFA沖縄県選手権決勝(天皇杯沖縄県予選決勝)終了後、沖縄SV・小野木玲監督、FC琉球・金鍾成監督会見
【タイムス杯争奪 OFA第29回沖縄県サッカー選手権大会 (兼天皇杯 JFA 第104回全日本サッカー選手権大会沖縄県予選地区大会) / 決勝 / 2024年5月12日13:03キックオフ / 南城市陸上競技場 / 入場者数 約1,000人/ 晴、弱風 / 良芝】
沖縄SV 1-0 FC琉球
得点者:
90+6分 青戸 翔(沖縄SV)
警告:
87分 平松 昇(FC琉球)
試合終了後、沖縄SV・小野木玲監督 会見
非常にタフな試合になることはやる前から想像してましたが、選手たちは最後の最後まで勝利を信じてプレーしたということは非常に監督の立場としても嬉しいし、今まで過去にFC琉球と何度かこの舞台で試合をしているというのは聞いてますけどなかなかそこを超えられなかった壁を超えられたということが非常に嬉しいです。きょう戦った選手たちと共に自分もチームの一員としてなれたことが本当に誇りに思います。でもまだまだ自分たちの課題はゲームを通じて出ているものですから、今度は天皇杯本戦で沖縄県代表として戦うという責任を背負って天皇杯でもまた暴れていきたいなと思っています。
【記者陣質疑応答】
――シュート数が琉球の8本に対し、沖縄SVは12本と上回っていたが、攻撃の部分で伝えていたことは。
シュート数は多かったようですが、正直あまり自分がピッチ脇まで見てるとシュート数の差はそんなにないのかなっていうのが正直思ったところです。ただ選手たちには毎試合伝えてることなんですけれど、守備も攻撃も自分たちからまずボールを奪いに行くこと。当然シュートを打つ、得点を取るということに対して前向きに仕掛けていこうという、それも連続で仕掛けていこうということはこの試合でも同様に掲げていたテーマの一つだったので、そういう思いというか意志がもしかしたらシュート数にも反映されてるのかなと思ってます。
――決勝ゴールをあげたFW青戸翔は今年怪我で苦しんでいた時期を乗り越え、勝利に貢献しました。彼の評価は。
この暑い気候の中、さらに格上の FC 琉球との戦いの中で、彼がラスト決めたヘディングシュートっていうのは本当に 90 分戦った後のフルジャンプでヘディングで押し込むという形でした。やっぱり相当フィジカル的にも、もちろんメンタル的にも辛いはずなんですけど、あそこで彼がゴールマウスに叩き込んでくれたこと。彼が怪我した時、怪我を癒える努力をしただけじゃなくて、もう一回体を見つめ直したというか、自分からサッカーに対する姿勢をもう一回見つめ直したその成果がラストのあのギリギリのジャンプと、体全身使ったあのヘディングで叩き込むっていうのはなかなかあの 90 分として、ラストの 90 分の時にあのジャンプってできませんから、それが彼の努力が実ったワンシーンだったのかなというふうに思います。
――本戦1回戦では沖縄SVの有田朱里が去年まで所属していた広島県代表の福山シティFCと対戦します。
この大会で沖縄県代表になれたことは非常に喜ばしいことですが、同時に沖縄県代表として次は戦うので、まずはその 1回戦に全力尽くして勝負に挑みます。また大会は2週間後で、リーグ戦(JFL)が今週控えているので、まずは目の前の試合に集中していきます。要はこれが偶然じゃないっていうところをリーグ戦でも証明していかなきゃいけないので、そこで選手たちと共に切磋琢磨して、また高みを目指していきたいというふうに思います。
――戦術的にはDFラインを高くし、右サイドから展開し琉球のSB高安孝幸の裏を狙う形が目立っていましたが狙っていたのでしょうか。
狙いもありましたが、ピッチの中の選手たちが実際に状況を判断してプレーした結果のひとつだと思いますし、FC琉球も同様だと思いますがまずボールからゴールへの最短経路を狙いつつも、当然相手がそこを閉めてくれば逆サイドの大きいスペースを狙うっていう崩し方も選択肢の一つだと思うので、うちにもサイドに仕掛けるのが得意な強力な選手はいるので、結果的にそういう形になったかなと思います。結果的に最後は選手たちがジャッジするので、当然真ん中が開けば真ん中から攻め込む時もありますし、おそらく選手たちが中に絞りすぎてるところが見えてワイドのスペースを狙ったんではないかなって思います。ただそれは結果論として、当然そうすると今度は真ん中が開きますから、そういったものの考え方を練習でいつもやってるつもりですので、その成果は出たのかなと思います。
――プレーの気持ちの部分以外の面で相手に勝てた要因は。
気持ちを除くと大変なんですが、FC琉球はJ3のカテゴリーで僕らより上のカテゴリーで毎週末しのぎを削ってるチームですから、当然個々の能力では難しい状況なのはもちろんやる前からわかってました。その相手に僕らが勝つとしたら、本当に勝ちたいんだという気持ちの部分はやっぱり外せないところです。なおかつ相手が格上だとしても自分たちから逃げずに、失敗を恐れずにゴールへ向かっていく。攻撃も守備も90分続けていくっていうその姿勢こそがギリギリのところでの奪い合い、ルーズボールがマイボールになったり、50%50%のボールがマイボールになったりだとか、そういう差のほんのちょっとずつの積み重ねがラストのゴールにつながったのかなというふう思っています。
――後半11分にMF荒井秀賀を投入した場面。彼は準決勝のFC那覇戦で負傷交代したとき以来の実戦となりましたが、彼を入れた意図と、その存在感によってチームの影響はどう変わりましたか。
彼を入れたのは特に攻撃での変化をつけたかたのが理由です。もちろん(代わった)小田垣旋も個人で打開する力はありますが、荒井を入れることによってちょっとしたタメであったり、もちろんゴール前の変化であったり、そういったものを期待して起用した次第です。もう一つ決定機なところの仕事はしたかったと多少本人も思っているでしょうが、ただ彼が入ることによって要は相手が彼を気にするっていうところも一つの狙いでもあるし、彼の存在感が変化を生み出すというか、放って置くと危険なプレーをする選手でもありますし、また近づいていくとそれをいなす、かわすことができる選手でもあるので、そういった変化を期待して起用したところでもあります。そういった変化は出しつつ、多分本人的には結果を出したかったと思いますが、そこはまた彼と課題を共有して、次の試合に向けて練習で臨んでいきたいなと思っています。
――FC琉球の平松昇とは清水エスパルスユースで選手とコーチという間柄でしたが、彼の存在はどのように映っていましたか。
みなさんがどういうふうに思われているかわからないですけど、昇は努力の選手で、僕が最初出会った時は本当に背が小さくて、強度も含めてこの子大丈夫かなって思ってしまうぐらいの子がユースに上がって鍛えられ、さらにそこから大学を経由してJリーガーになって今プロ生活を続けている。そういう選手ですからやっぱりすごいなって率直に思うし、実際に直面して嫌な選手でした。彼とも試合後に「また頑張ろう」って話しましたけど、今こうして沖縄に同時期にいるってことがまたサッカーがもたらす不思議なめぐり合わせだし、縁だと思ってます。ピッチ外では昔の仲間として一緒に話しますけど、今日は僕らにとっては相変わらず嫌らしい選手でしたし、J3で上位を走っているチームのセンターラインのポジションを奪える実力ある選手ですから、やっぱり個人的にもまだまだ成長してほしいなっていう気持ちはあります。