【アカデミーレポート】プリンス九州1部 第16節 V・ファーレン長崎U-18対九州国際大学附属~ワンプレーの代償。V・V長崎U-18が勝ちゲームを引き分ける~
11月18日、2年ぶり2度目のプリンスリーグ優勝を目指すV・ファーレン長崎U-18が、島原市の平成町多目的広場で九州国際大附属高校と対戦。下位に苦しむ九州国際大附属に対し、V・V長崎U-18はゲームをコントロールしながらも勝負を決めきれず1対1で引き分けてしまった。
「試合前にも注意していたことなのに、単純なミスで失点して流れを失ってしまった」
V・V長崎U-18の原田武男監督がそう語るとおり、試合で大きなポイントとなったのは65分に起きたミスだった。
前半、風の影響を受けながらも徐々にボールを動かすV・V長崎だが、ズラリと高さのある選手をそろえてブロックを組む九国大附属の守備に苦戦。スタメン予定だった複数の主力が急きょ体調不良で出場できなくなった影響もあり、V・V長崎はボールを持ちながらも得点を奪えない時間が続く。
それでも後半55分、落ち着いたボール回しから、田口達也(20)のパスから相手の裏を取った垣内祥大(11)が落ち着いてゴールを奪い1対0。この時点でベンチも選手も、和賀井翔琉(11)の突破とセットプレー以外は攻め手が乏しい九国大附属を無失点に抑え、焦った相手から追加点を奪い手堅く勝つイメージができていたはずだ。
だが、65分にパスで裏を狙った相手を不用意に倒してしまい九国大附属がPKをゲット。濱中翔太(9)がこれを決めて1対1。同点として落ちかけていた守備の強度を上げる九国大附属に対して、V・V長崎は背後を狙って仕掛け80分に宇佐川眞央(16)が倒されPKを得るが、このPKを九国大附属のGK中島源太(12)がストップ。試合終盤にも田口がゴール前に抜け出すが、シュートは枠を逸れノーゴール。
首位固めのため勝ち点3のほしかったV・V長崎だが、65分のワンプレーで勢いを得た九国大を崩しきれず1対1で試合を終了した。
勝てなかったとはいえ首位をキープし、残るリーグ戦2試合のカードも優位なV・V長崎U-18だが、試合後の原田監督は険しい表情だった。
「ワンプレーで流れが変わる。試合前も注意したのに、それまではちゃんとやれていたのに不用意なミスで壊れてしまう。ちゃんとそれを理解しなければ同じことを繰り返す」
リーグ終盤のこの時期は大学受験のために欠場する選手もいる。そんな中で少し前から体調不良者も相次いでいる。わずか1試合、わずか1プレーがシーズンの明暗を分けることもある。V・V長崎U-18にとってリーグ残り2試合に向けて教訓としたい一戦だった。
reported by 藤原裕久