ViSta コラム:20回目の誕生日。クラブの2005年、私の2005年、世間の2005年
2005年。今、これを読んでいる方は何をしていたか覚えているだろうか。

2005年に急きょ立ち上げたV・ファーレン長崎の情報サイト「KLM」。私の「SNS」のアカウント名(@KLMhiro)はこれに由来する
2005年と言えば、日本国内では「郵政民営化法案が成立」し、JR福知山線では痛ましい事故が起こった。ライブドアがニッポン放送の株式を大量取得してフジテレビを買収しようとしたのもこの年だ。ちなみにこの頃、連日のように放送された、某建築士による「マンションの耐震偽装」のニュースを見た幼い我が娘は、「建築士=お金持ち」と刷り込まれ、大学院で建築士への道を順調に歩み就職の内定を得た。愛知万博(愛称=愛・地球博)が開催されたのもこの年である。
海外では鳥インフルエンザが猛威を振るい、パキスタンでは大型地震、アメリカ南部は大型ハリケーン「カトリーナ」が大きな被害を与えた。1967年の第3次中東戦争後38年、軍事占領されていたパレスチナ・ガザ地区からイスラエルが撤退した年でもあり、現在の国際情勢を考えると暗澹たる気持ちである。
そして、「V・ファーレン長崎」というチーム名が公表されたのもこの年だ。
当時の私はワクワクしながら話題を追っかけていたものである。
チーム誕生などV・ファーレンの歴史については、某サイトで無料連載中の20年史を読んでもらうとして、さすがに21年目、20周年というのは実に感慨深い。
言語学的には、流行語やスラングは20年程度で入れ替わることが多いとされ、2005年当時に注目された「想定内(外)」、「萌え」などは今では一般化して使われ方も変わった。
ポップカルチャーでは、作品や流行は20年以上存続すれば「クラシック」として扱われるようになり、当時の音楽や映画が再評価されたりする。
2005年当時にヒットした映画と言えば「STAR WARS シスの復讐」や「ハウルの動く城」だが、シレっと「名探偵コナン 水平線上の陰謀(ストラテジー)」もあるあたりが、この小学生はいつまで小学生なんだ感があって趣き深い。音楽では修二と彰の「青春アミーゴ」、ケツメイシの「さくら」、洋楽ではAKONの「Lonely」、JAMES BLUNTの「You’re Beautiful」がよくテレビでは流れていた。
つい、V・ファーレン目線で考えると、まだ最近のような気もするが、こうして見ると20年が遠い昔なことか。実際に、V・ファーレンでも2005年の3月13日にいた人物で、今もクラブに在籍するのは原田武男U-18監督ただ1人だ。本当に歴史の彼方なのだなと思う。
また、さらに20年経ったとき、私たちは何をしているだろう?
私も武男さんも、さすがにもうクラブにはいないだろう。今、クラブに関わっている選手でそのときにクラブに関わっている人はいるだろうか?高卒ルーキーの田所莉旺あたりはまだ、ギリギリ現役かもしれない。
クラブのカテゴリは?
ACLは?
監督は?
長崎の街は?
V・ファーレン長崎、20回目の誕生日に20年先を思う。
お陰でこれまで20年もの間、夢を見ながら過ごすことができた。
次の20年も良い夢を見させてほしいものである。