【アカデミーレポート】2023選手権への道①『第102回 全国高等学校サッカー選手権大会 長崎県大会』。長崎総科大附と国見。決勝進出2チームの勝ち上がりを振り返る
10月21日から開幕した『令和5年度(第102回)全国高等学校サッカー選手権大会 長崎県大会』もいよいよ決勝戦。11月12日にトランスコスモススタジアム長崎で『長崎総合科学大学附属高校』と『国見高校』が対戦。今年無冠の長崎総科大附が2年ぶりに覇権を奪回するか、国見が2年連続で全国への切符を手にするか。注目が集まる。
【長崎総合科学大学附属高校。決勝戦までの道のり】
今大会、長崎総科大附はシード校として10月28日の3回戦から登場。大会初戦の島原高校を10対0と大勝スタート。準々決勝で強豪の創成館高校と対戦するも、主力がコンディションに問題を抱え、「後半勝負(創成館 久留貴昭監督)」を狙っていた創成館に対して、風上の利を活かした前半に長崎総科大附が2点をリード。
創成館は後半勝負用に温存していた篠原太希を早めに投入して反撃を狙い、西咲人のゴールで後半58分に1点差とするも、66分に痛恨のPKで再び2点差。さらに71分とアディショナルタイムにも失点し、長崎総科大附が5対1で大勝した。
11月5日の準決勝で長崎総科大附は、3回戦で『佐世保工業』に2対0、準々決勝で県北の強豪『九州文化学園』を接戦の末に振り切った隠れタレント軍団『海星高校』と対戦。海星は長崎総科大附最大の武器であるタイトなプレスをかわすため、あえて長いボールを使い、準々決勝をコンディション不良で欠場していた須田隼太に裏を狙わせ試合をスタート。戦力的に有利と見られていた長崎総科大附を0対0の接戦に引きずり込むと、後半51分に藤本龍星が先制ゴール。
その後、海星はCB小倉遙翔・阪凌駕、GK汐﨑弘心が好プレーを見せて守っていくが、試合終了1分前に猛攻を見せた長崎総科大附が同点弾。勝利まであと一歩だった海星だが、長崎総科大附が最終的にPK戦で勝利して決勝進出を決めた。
【国見高校。決勝戦までの道のり】
長崎総科大附と同じく、シード校の国見は3回戦から出場し『佐世保実業』と対戦。的確なスカウティングから力岡佑樹、横田翔栄を起点に攻める佐世保実業に大苦戦。だが、序盤に2度の決定機を外した佐世保実業に対して、後半から徐々に本来の動きを取り戻した国見は47分に先制ゴール。その後も動揺する相手の隙を見逃さず追加点を決め、トータル3対0で試合を終了。
続く準々決勝で国見は、3回戦で長崎北に4対1で勝利した県央の伝統校『諫早商業』と対戦。前日の佐世保実業戦に比べて固さの取れた国見が前・後半に2点ずつを奪取。畑地翼、田渕達也ら攻守に計算できる実力者を擁していた諫商は決して悪い内容ではなかったが、地力で勝る国見が順当に勝利した。
続く準決勝で国見は優勝候補の一角『長崎日大』と対戦。選手・サッカーの質で間違いなく県トップクラスの対決は序盤から一進一退。3-4-2-1で幅を取って山口翔、大町璃史がサイドから攻める日大だが、国見の落ち着いた守備を崩しきれずにいると、31分にセットプレーから失点。エース友永響を投入して勝負に出る日大だが、後半開始直後に再びセットプレーから失点。そのまま2対0で試合を終えて国見が決勝進出を決めた。
reported by 藤原裕久