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【アカデミーレポート】100回目の選手権に出場する県代表は?!~第100回全国高校サッカー選手権長崎県大会、開幕迫る~

20日、『令和3年度(第100回)全国高等学校サッカー選手権大会 長崎県大会』の組み合わせが発表された。大会は10月23日から県内の各会場で28チームが参加。祈念すべき第100回の選手権出場へ激闘がいよいよスタートする。県大会での優勝候補を挙げるとすれば、まずは夏の高総体覇者『長崎総合科学大学附属高校』と新人戦九州王者の『国見高校』の名が挙がる。

2年ぶり8度目の選手権出場を目指す長崎総合科学大学付属高校

長崎総大附属は、今年1月に行われた新人戦長崎県大会では、まさかの初戦敗退を喫したものの、その後はキーマンを封じる激しいマークと、ハードワークをベースにしたタイトなプレス、奪ってからの早い攻撃と個人技を生かした仕掛けといった伝統のスタイルを徹底。見事な立て直しで県高総体を優勝した。インターハイでは優勝した青森山田に初戦で敗れたものの、最終ラインに児玉勇翔、中盤には別府史雅と竹田天馬、前線に西岡紫音とタレントも揃っており、その戦力とチーム力は県内では間違いなくトップ級だ。

タレントの質、目指すサッカーの評価が高い国見。11年ぶりの全国大会出場はなるか

九州新人戦を制覇し、GK緒方要やMF北村一真が年代別代表に選出されるなど大きく期待を集めた国見。だが九州新人戦後は不振に陥り九州プリンスリーグでも大苦戦。高総体県予選準決勝でも長崎総大附属に0対2で敗れてしまった。このまま迷走に入る可能性もあった国見だったが、選手・システム・組み合わせの修正と変更を繰り返し再建。7月のプリンスリーグではリーグ首位のV・ファーレン長崎U18を破るなど復調を感じさせ、その後も着実に試合内容とチーム力を向上させている。ストライカー本川瑠空、MF日髙希星・川添空良、サイドバックの福田皓大など個はそろっており、こちらも戦力はかなり高い

これら2強に対抗するのが長崎日大、そして昨年度の覇者、創成館高校だろう。

今季、県内で最も安定した成績を残す長崎日大。そろそろ頂点を奪取したい

県内屈指のサイドバック瀬崎耕平、最終ラインをコントロールする高村周太朗、サイドアタッカー中村大翔、前線のターゲット加藤考太郎、中盤の軸である山口大斗などを擁する日大は、新人戦はベスト4入。高総体でも準優勝するなど、今年の県内大会で常にトップを争う活躍を見せており、県リーグでも得失点差で首位を譲ったが、長崎総大附属と同勝ち点を獲得している。今大会でも間違いなく上位に食い込んでくるだろう。アタッキングサードでの攻撃の判断に磨きがかかれば、かなり有力な存在となるはずだ。

県内最強GK永田を擁する創成館も、連覇を目指し調子を上げてきている

昨年、悲願の選手権出場を果たした創成館は、昨年のような絶対的な軸こそ不在だが、GKに年代別代表候補の永田健人、高総体県予選前にGKからCBにコンバートされ、その活躍ぶりで強烈なインパクトを残した西本準也、足下に優れた村田楓や岡優希、前線の立川蒼真、波多野太一な総合的な戦力では、長崎総大附属や国見にも引けを取らない。県新人戦準優勝後、県リーグや高総体県予選では苦戦が目立っていたが、夏には県リーグでも長崎総大附属を倒すなど、尻上がりに調子を上げてきた。選手権予選には、さらにパワーアップした姿を見せてくれるはずだ。

スキルの高い選手が多い鎮西。準々決勝で国見と対戦する可能性もある

その他にも、新人戦ベスト4で攻撃に山口琉衛、守備にCB清原胡太郎とGK岩崎大空といった選手をそろえる長崎南山、県高総体ベスト4で前線でボールをおさめる森祐月を軸に戦う諫早商業、エース福島澪音を軸とする鎮西学院、林田心と瀬川颯摩を攻撃の中心とする島原商業といったチームがそろう。他にも大会2回戦で佐世保実業と九州文化学園という県北最強の2校の激突が濃厚と、早い段階から注目の試合が続く。

昨年は創成館が選手権初出場を達成。今年、高校サッカー最大の晴れに舞台に立つのは?

今年の『高円宮杯JFA U-18サッカーリーグ2021 長崎県リーグ1部』は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)感染症のため、リーグ前半戦の結果で順位が確定し、すでに長崎総大附属の優勝が決定した。後半の追い上げを狙っていた各校は選手権予選で存在感を見せたいところだろう。11月14日の決勝戦に進む2チームはどこか?そして栄冠を手にするのは?今年も冬の祭典を注目していきたい。

なお今大会は、COVID-19感染防止対策のために決勝・準決勝以外は無観客試合となっている。関係者以外は会場内に入ることはできないので注意をお願いしたい。

reported by 藤原裕久

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