長崎サッカーマガジン「ViSta」

【コラム】コロナ禍で存分にサッカーができない子どもたちへ。富樫敬真が勧める「自分にとってサッカーとは何か」を考えること。

また新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が猛威を振るっている。スポーツへの影響は大きく、本来であれば5月の連休は各地でミニ大会や遠征が行われ、チーム力を向上させるチャンスなのだが、県外チームとの試合や交流、県外遠征の中止や公式戦の無観客試合などが次々と決定。時間が3年間と区切られている中高生は、存分にサッカーができないことに不安もあることだろう。

そんなときに、どんなことに取り組めばいいのだろうか?昨シーズン、リーグ中断となってサッカーができない時間を経験した冨樫敬真に、中断期間に取り組んで、今良かったと思えることは何かを聞いてみると「自分にとってサッカーって何だろうと考えた」ことだという。

「サッカーができなかった期間は、僕にとっては「自分にとってサッカーって何だろう」と時間をかけて考え直すキッカケになりました。今、サッカーをやっている中高生も、気が付いたらサッカーをやっていて、サッカーをやっていることが当たり前になっていると思うんですけど、何で自分はこんなに熱を持ってサッカーをしているんだろうと考えてみると良いと思います。」

そこを深く掘り下げて考え、それが何なのかに気づくと、存分にサッカーができるようになったとき、サッカーに対する取り組み方が変わっているという。十分にプレーできない苦しさや、楽しみにしていた大会の中止、今後の不安などを感じる中高生は、一度じっくりと考えてみてはどうだろうか。

ちなみに、富樫敬真というサッカー選手にとってのサッカーとは何かを考えた結果を聞いてみると、「いやいや、囲み取材でそんな深い話にいっちゃいます(笑)?」と言いながら、こう答えてくれた。

「自分にとっては、2002年の日韓ワールドカップを観に行って、それに勝るような経験はないというくらい衝撃を受けたというのがあって、そこで与えてもらったものを還元しようと思ったんですよ。ギブアンドテイクじゃないけれど、自分がプロになって、そこでもらったものを、みんなに与えるんだって。それが自分にとってサッカーをやっている意味みたいなものかなと」

reported by 藤原裕久

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