【サッカー人気3位】共通意識を高めるトレーニング【練習レポ】

長崎サッカーマガジン「ViSta」

【アカデミーチームを楽しく観戦するために】~アカデミーチームに接する時の基本マナー~

V・ファーレン長崎U-18、U-15、U-12の活躍もあって、少し前に比べると、ずいぶんと関心が高まってきたV・ファーレン長崎のアカデミーチーム。林田隆介選手(U-18所属)の来期トップチーム昇格内定もあって、今後はもっと関心が高まっていくことだろうと思う。今回は、これからアカデミーの試合を観戦したり、練習見学にいこうという人向けにマナーや注意点を書いていきたい。

『アカデミーの目標は「育成」と認識する』
これはアカデミーと接するに際して、絶対に忘れてはいけないベースとなる視点で、アカデミーとの関係は全て、この上に成り立っている。アカデミー年代の大会でチームが勝利にこだわることあっても、それはあくまで、「育成のための勝利体験」としてであって、勝利は手段に過ぎない。ぜひ、そこを踏まえた観戦や見学をしてもらいたい。
『観戦場所を確認する』
アカデミーの試合は、観客席がない場所で開催されることも珍しくないし、観客席があっても一部しか開放されないこともある。チームがビデオを撮影している場合などもあるので、観戦場所を確認してから観戦してもらいたい。

『応援をする場合は確認を』
ここでいう応援とは鳴り物(太鼓、スネア)などの楽器を使用するものを指す。会場によっては鳴り物禁止、場所によっては大声での応援も差し控えるケースが多い。また、アカデミーの場合、育成が目的ということもあって、通常、大きな試合や大会以外では、鳴り物を使った応援を行うケースは少ない。横断幕も同様で掲示する場合は確認が必要なので注意してほしい。


『ネガティブな声援は逆効果』
アカデミーは育成組織であり、育成で最も重要視されるのは「サッカーの楽しさを教えて、サッカーを好きにさせる」ことである。試合も強化も練習も全てはそのためのものであり、その結果として、選手は成長していく。また、育成においては、自主性を育み、チャレンジさせることも重視されるが、ネガティブな声援はそれを萎縮させてしまう可能性が高い。

実際、古今東西の教育文献における研究でも、育成・教育において叱咤などネガティブな指導が大きな効果を上げたという報告より、ポジティブな指導の方が効果を上げたという報告が何十倍も多い。そういうこともあり、サンフレッチェ広島アカデミーなどでは、たとえ、子供たちの父兄であっても野次、批判、ブーイングなどを送っていれば、練習場からの退去させられていたりする。

また審判などに対してのネガティブな声援も同様で、アカデミーでは、チーム関係者などが審判を務めることがあり、副審などにいたっては、ときに父兄や他校の生徒などが行うというほぼボランティアである。そういった事情も考慮せずにネガティブな声援を送るようなことがないようにしてもらいたい。

もちろん、戦っているアカデミーの選手たちは、ピッチ内で激しい言葉使いになることもあるし、時には激高してしまうことも、衝突することもあるだろう。思春期の選手たちが、本気で競い合っているのだから、それは止む得ない面もあると思う。だが、そこで一緒になって、大人がピッチの外から同じように荒い言葉使いをするのは完全に間違いだ。ピッチ内が熱ければ熱いほど、逆にピッチ内の冷静さをうながすくらいの配慮が必要だと考えてもらいたい。極端な話だが、ネガティブな声援や応援を送るような方はアカデミーの観戦には向かないと思ってもらいたい。

『サッカー自体を楽しむ目を持とう』
アカデミーの試合では大半でメンバー表が配布されることはなく、場内アナウンスもない。背番号がシーズンの中で変わることもある。得点ボードも時計もない会場で公式戦が行われるのも当たり前だ。そのために、初めて試合を観に行くと選手名も時間も展開もわからず、応援もあまりできずに楽しくないと思うかもしれない。だが、逆にだからこそサッカー自体の楽しさを見てほしい。ヨーロッパでは「周囲のサッカーを見る目が養われれば、選手も伸びる」と言われるが、「この選手はこのプレーが上手だな」、「この選手はすごく攻撃的だな」「この選手はよく声を出すな」と選手の個性に注目したり、「このチームはみんな凄くよく走るな」とか「ロングボールが多いな」とか「サイド攻撃が多いな」といったチームスタイルに注目してはいかがだろう?

以上、とても簡単だがアカデミーの試合や練習を観戦・見学する際の前提を簡単に説明させていただいた。これらは基本マナーのようなものなので、これらを守って、長崎の原石たちを見守ってほしい。

reported by 藤原裕久

« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ