長崎サッカーマガジン「ViSta」

【アカデミーレポート】アカデミー(育成組織)の基本(その3) ~U-18年代の主な大会~

写真=V・ファーレン長崎U-18vs長崎日大高校戦

前回のアカデミーレポートではU-15年代の主要な大会を解説したが、今回はU-18の主要な大会を説明したい。U-15の大会説明時と同様に特に大きな大会を除き他は説明しない。

<U-18>
【全国高等学校総合体育大会サッカー競技】
主催:公益財団法人全国高等学校体育連盟および財団法人日本サッカー協会
参加資格:全国高等学校体育連盟所属チーム。
いわゆる高校の部活動における全国規模大会の一つ。毎年6月頃に県大会、九州大会、7~8月に全国大会が行われる。九州大会には県大会準優勝チームまでが出場できるが、九州大会に優勝しても全国大会の出場権が得られるわけではなく、全国大会は原則的に1県1チームで、チーム登録数が多い県および開催県だけが2チーム参加できる。サッカー強豪校以外では、この大会を最後に部活動を引退する3年生も多く、単純な規模では最大と言って良い。今年は県大会を、長崎総合科学大学附属高校が優勝し、島原商業高校が準優勝。九州大会では島原商業は初戦敗退したものの、長崎総合科学大学附属高校が優勝。全国大会で長崎総合科学大学附属高校は2回戦で滝川二高に0-1で敗れた。

【全国高校サッカー選手権大会】
主催:公益財団法人全国高等学校体育連盟および財団法人日本サッカー協会
参加資格:全国高等学校体育連盟所属チーム。
U-18年代の大会で最も有名な最高峰大会。毎年10月頃から県大会がはじまり、各県代表チームによって、12月に全国大会が行われる。名実共に高校サッカーの頂点を決める大会であり、クライマックスの一つと認識されている。昨年、長崎県では長崎南山高校が県大会を初優勝し、全国初出場を果たした。今年10月に行われる長崎県予選の組み合わせはが先日発表された。

【日本クラブユースサッカー選手権 (U-18)大会】
主催:日本サッカー協会と日本クラブユースサッカー連盟
参加資格:日本クラブユース連盟所属のユースチーム
例年、夏に開催されるクラブユースのU-18にとって最高峰大会の一つ。全国9地域を勝ち抜いたチームによって争われる。長崎県はU-18のクラブチームがV・ファーレン長崎U-18であるために、U-15年代と違って県予選は行われず、V・ファーレン長崎U-18が長崎県代表として出場を続けている。
今年5月の九州大会で、V・ファーレン長崎U-18は初戦で大会を優勝したサガン鳥栖と対戦して惜敗したが、昨年は九州大会を突破し、全国へ出場。予選グループを勝ち抜き決勝トーナメントまで進む快進撃を見せた。

【Jユースカップ Jリーグユース選手権大会】
主催:日本サッカー協会とJリーグ
参加資格:Jリーグクラブおよび日本クラブユース連盟所属の各地域代表
例年、10月から12月にかけて行われるJクラブによる大会、J1、J2、J3のアカデミーチーム(福島、藤枝、琉球は不参加)(U-18)、日本クラブユース連盟所属の各地域代表4チームで行われるレベルの高いトーナメント。昨年、V・ファーレン長崎U-18は、福岡県でアビスパ福岡U-18と戦いPK戦の末に初戦で敗退。今年の大会では10月9日に宮城県でベガルタ仙台ユースと1回戦で戦うことが決定している。

【高円宮杯全日本ユース(U-18)サッカー選手権大会】

主催:日本サッカー協会
参加資格:全高校年代
高体連所属、クラブユース連盟所属関係なく行われる大会で、JFAにおけるユース大会の頂点。長崎県リーグ、プリンスリーグ、プレミアリーグ(東西)、チャンピオンシップと大きく分かれ、通年のリーグ戦を大会の中心としているために、毎年、着実に所属リーグを昇格していかないと頂点にはたどり着けない。各カテゴリに参入するための入れ替え戦もあるため、長期的な視野が求められ、数年がかりで強化する必要がある。

長崎県の場合は、
「長崎県U-18サッカーリーグ地域リーグ」
「長崎県サッカーリーグ2部」
「長崎県サッカーリーグ1部」
「プリンスリーグ九州」
「プレミアリーグウエスト」
「チャンピオンシップ」
と段階を経なかれば頂点にたどり着けない。

V・ファーレン長崎は、2014年に長崎県地域リーグを制して長崎県2部リーグに昇格。2015年に長崎県2部リーグを全勝優勝して、長崎県1部リーグに昇格と、ここまで1年で完全昇格を果たしてきている。現在、長崎県1部リーグでも無敗で首位に立っており、プリンスリーグ九州参入入れ替え戦への出場権まであと一歩。昨年、5度目の挑戦で参入戦を勝ち抜きプリンスリーグ九州へ昇格しんた長崎総合科学大学附属高校は、現在無敗で首位を走っている。

reported by 藤原裕久

« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ