【天皇杯2回戦 vs 水戸】レビューコラム/良い場面は作ったが1得点にとどまり、後半の2失点で逆転負け。
リーグ戦の第19節秋田戦から中3日、週末からの後半戦に向け、勝って勢いをつけたかった天皇杯2回戦の水戸戦は、1点リードで折り返しながら後半に2点を失って逆転負け。第98回大会以来、6年ぶりの初戦敗退(2020年の第100回大会は不出場)となり、昨年の成績を越えるという挑戦は敢えなく潰えた。
このゲームではGKに田代琉我、FWの1枚に古長谷千博がそれぞれ復帰し、左MFで東山達稀が先発。直近のリーグ戦からスタメンを総替えし、リーグ戦でのプレー時間が短い選手で臨んできた水戸の積極的な姿勢に立ち上がりはやや押し込まれ、3分、6分とセットプレーから鋭いボールを入れられる場面があった。
ただ、こうしたシーンも田代が思い切った飛び出しでセーブし、徐々にボールを握って相手陣内へ攻め込む時間を増やしていくと、大﨑舜のランニングを生かした配球や藤井皓也、古長谷らが絡むテンポの良いパスワークで流れを引き寄せていく。
13分に藤井が右へ展開、大本祐槻からのボールに大﨑が飛び込み、21分には黒木晃平のパスを受けた大﨑が抜けてクロス、流れたボールを東山が拾って落とし、大西遼太郎がミドルを狙う。さらに26分には豊田歩から大﨑へつなぎ、その折り返しに古長谷が合わせる決定機。これらは得点に結べなかったものの、29分に均衡を破る。
相手のフリーキックの流れから大本が拾って右のスペースへ送ると、これを収めた大﨑が一旦は相手に倒されるが、すぐさま起き上がってプレーを続け、深い位置まで運んでマイナスの折り返し。これに反応して入ってきた古長谷がスルーし、奥に走り込んだ藤井が右足を振り抜いてネットを揺らした。
前半のうちには追加点は奪えず、また失ってからカウンターを受ける格好でフィニッシュまで持ち込まれる場面もあったが、個人での局面打開やコンビネーションによる突破など、攻撃のスイッチが入ってからの早さで押し込む状況に持ち込んでおり、内容としては決して悪くない前半だった。