【ゆきラボ】年度の初めにおすすめ。今、大人が真面目に読むべきは子どもの教科書かもしれない
こんにちは。ドイツの日常コラム「ゆきラボ」です。日本ではもう日付が変わって4月、新年度ですね。
前回のコラムでも少し書きましたが、次男が長引く風邪で体調を崩していました。熱が高く、喉の痛みもひどかったので、コロナか?インフルエンザか?溶連菌の類か?とかかりつけ医を受診したのですが、今回は備忘録として最初にその時のことを少し書いておきます。
次男は、2021年頃にもコロナが疑われる症状で同じ小児科を受診しました。当時、日本でもそうだったと思うのですが、コロナが疑われる患者に対しては医師もスタッフのみなさんも、マスク・フェイスシールド・使い捨ての防護服と手袋で完全防備で診療するのが当たり前でした。
イメージ https://www.photo-ac.com/ 数年前、医療機関といえばみんなこんな感じでしたよね?
今回の受診では医師もスタッフのみなさんもマスクすらつけず、普段の診察着のまま、手袋だけ着用して至近距離で次男の鼻やら喉やらを診察しているのを見て「先生危ない!」と私のほうが1人ではらはらしてしまいました。当然、あちらは医療従事者なので、諸々の感染症に対しては予防接種などで対策しているとは思うのですが、それにしても、です。
症状の重さで言うと、コロナ疑惑で数年前に来院したときより今回のほうがずっと重症で、もしうつったら今回のほうが怖いのでは、というのが看病していた私の感覚でした。時間の流れはこんなところにも現れるんですね。このくらいの感染対策でいいんだったら、数年前に防護服でガチガチにガードしてコロナの検査やってたのは何だったんだろう、と正直思います。常にマスク着用で、予防接種済の証明書をスマホで常に持ち歩いたり、定期的に検査を受けたりしないと生活が成り立たなかった時期があったなんて嘘みたいです。
あ、次男の検査の結果はどれも陰性でした。偽陰性だった可能性も無きにしも非ずですが、非常に悪質な風邪、との診断を受けて2週間半ほど家で養生し、ようやく元気になって現在に至ります。
そんな中、ミュンヘンの総領事館から次男の教科書セットが届きました。海外に住んでいる日本国籍の子どもは、小1~中3の義務教育の間、管轄の大使館や領事館に申請すると、日本の公立小中学校と同じ教科書を全教科分一式受け取ることができます。領事館から自宅までの送料のみ自己負担ですが、教科書そのものは無料で一式、というのはとてもありがたいです。
日本の学年では今春から中3になる次男。小中9年間、毎年送ってもらっていた教科書も、今回の送付で最後になります。中3国語の教科書を開くと、芭蕉『おくの細道』が載っていたり、森鴎外の『高瀬舟』や魯迅の『故郷』が載っていたりと、30年近く経ってもこのあたりのラインナップは古典として載り続けるんだなあと懐かしく読み返してしまいました。一方で、米津玄師の言葉が引用されていたり、角田光代や宮下奈津の作品が掲載されていたりするあたり、現代の教科書だなあとも感じます。
公民の教科書を開けば、同性パートナーシップについて言及されていたり、SDGsへの取り組みに大きくページ数が割かれていたり、キャッシュレス決済の仕組みが解説されていたり。理科の教科書にはバイオ3Dプリンタを使った医療技術や、マイクロプラスチックと生態系について説明したページなどなどもあって、これ、大人も一般常識のアップデートとして読み直したほうが良くない?と思った次第です。
コラム後半では国語の教科書を中心に、今どきの教科書について書いていきますので、学齢期のお子さんがいる方はぜひ、お子さんが使っている教科書を手に取りつつ、お読み頂ければ幸いです。
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