【ゆきラボ】クリスマスに欠かせない“クリッペ”の話/後半はセルフレジの話・続き
こんにちは!ドイツの日常コラム・ゆきラボです。
師走ももう後半になってしまいました。これまで、当コラムではアドベンツカレンダーやアドベンツクランツ、そしてもちろんクリスマスツリーなど、ドイツのクリスマスを彩るデコレーションや、クリスマス料理のことをお伝えしてきました。
今週は“クリッペ”という飾りについてご紹介します。Krippeとはもともと家畜の餌場や小屋を意味する言葉でしたが、キリストが家畜小屋で生まれたことから、この生誕の場面をかたどったクリスマスの飾りのこともクリッペと呼ぶようになしました。
フライブルクのクリスマスマーケットに飾られているクリッペ。等身大よりちょっと小さいくらい
同じく、フライブルクのクリスマスマーケットで展示されているクリッペ。こちらは1体1体が手に乗るくらいの大きさ。ガラスケースの反射で見づらくてすみません
フライブルク中央駅の書店前に置かれたクリッペ。ノミの彫り跡が残る素朴な作風
一般家庭ではこんなに大きなものは飾れないので、テーブルや棚の上に飾れるような小ぶりのサイズのものがクリスマスマーケットで売られています。作風も素材も大きさも多種多様。写実的なもの、民芸調のもの、コロンと丸みを帯びたかわいらしいものから、ちょっと抽象的で一見クリッペとはわからないようなものまで、素材も木彫りや粘土やフェルト細工などなど、見ていて飽きることがありません。中にはクルミを割った殻の中に作られた極小の超絶技巧クリッペ、なんていうものもあります。
ところで、この“クリッペ”という言葉、現代では3歳未満の乳幼児を預かる少人数の保育施設という意味でも使われています。
こちらの写真はクリッペンワーゲンと呼ばれる、4~6人乗りの特大サイズのベビーカー。私の通勤時間が近所のクリッペのお散歩時間と重なるらしく、毎朝自転車で近所の公園を通ると、よくこのクリッペンワーゲンに乗った子どもたちとすれ違います。交通量の多い道を渡るときはこのクリッペンワーゲンで移動し、公園に着いたら降りて歩いたり遊んだりします。
夏休みに、少し離れたカールスルーエという街に行ったのですが、ここの街の路面電車は車内スペースがとても広く、通常のベビーカーや車いすやもちろん、クリッペンワーゲンや自転車もそのまま乗せられるというステッカーが貼ってあって、びっくりしました。しかし6人乗りのクリッペンワーゲンとは、押す保育士さんにはかなりの体力が求められそうです。
さて、後半はがらりとテーマを変えて、前回からの続きのセルフレジの話です。
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