【現地取材】浦和レッズに新加入した二田理央とは何者か?現地インタビューからその選手像を紐解く①
▼ 二田理央たる若者の素顔
6月27日、浦和レッズにオーストリア2部ザンクトペルテンから二田理央が完全移籍で加入することに合意というリリースが発表された。選手の移籍は様々な事情やタイミングが絡まり合う。水面下でいろんな探りがされながら実現していく。世間に噂も出ていなかった移籍話だって、当事者からしたら実はシナリオや前々からのコンタクトがあったなんてことだってある。
ただこの《二田がJリーグ、しかも浦和レッズへ移籍》という突然のニュースは全く予想していないことだったので、流石に驚かされた。日本のサッカーファンにとってはさらにびっくりされたのではないだろうか?
では二田理央とはどんな青年なのか?
なぜオーストリアにわたり、どんな思いで日々過ごしていたのか?
フッスバルラボでは、そんな二田との現地インタビューを複数回に分けて紹介したいと思う。
僕は二田を現地で取材したことがある数少ないライターの一人だ。ZOOMではなく、彼が活動する地に足を運び、クラブハウスでじっくりと話を聞くことができた日を思い出す。
このインタビューをしに現地へ赴いたのは23年5月。約1年前だ。オーストリアの首都ウィーンから特急電車で約30分。ニーダーエスタライヒ州の州都でもあるザンクトペルテンは6万人強の人々が暮らす。オーストリアでは9番目に人口が多い都市だという。
駅からクラブのスタジアムNVアレーナまではバスで10分ほど。こちらが思っていたよりもずっとモダンなオフィスの一室で話を聞かせてもらった。
20歳ながら非常に落ち着いた雰囲気で、笑顔を絶やさず、常にこちらへの気遣いがある。こちらの質問の意図をすぐ理解し、丁寧にわかりやすく話そうとしてくれる。
選手としてだけではなく、人として確かな成熟をしていることをうかがわせる。インタビュー当時は肩のオペから復帰し、少しずつ出場機会を増やしている段階だった。ピッチ上では常に全力プレーの二田の人となりにぜひ触れていただきたい。
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――――最近の感触というか、いまの自分の状態についてはどうとらえていますか?
「肩を手術して、4月中旬ぐらいに復帰して。サッカーできなくて、あまり身体も動かせなかったりだったんですけど、リハビリもしっかりやってたんで、意外とスムーズには入れた感じはありました。
(欧州サッカーは)やっぱり強度が高いんで、そこについていかなきゃっていうのが最初はありましたね。徐々に慣れていって、今ではもう普通にやれています。コンディション上がってきていて、試合でもFWなので点を決めないといけないってとこはもちろんあるんですけど、それ以外のパフォーマンスは自分的にはそんな悪くはないかなって感じてます。守備だったりとか、やらなきゃいけないことはできています」
――――最近ちょっと序列が上がってきたっていうか、途中出場も早めからと聞きました。
「そうですね。モラスさん(モラス雅輝SD)とか、監督とは、いつも試合終わった後とかにいろいろと話をしています。自分からもコミュニケーション取ったりしてるんですけど、モラスさんも監督との話で僕の話を出してくれてるみたいで。監督も自分を信頼してくれて、出場機会、出場時間っていうのは少しずつですけど、増えてきている感じですね」
――――オーストリア2部という舞台は、日本にいる人にはなかなかピンとこないと思います。よく言われる《インテンシティの高さ》というのは体感的にどのくらい強いものですか?
「日本ではサガン鳥栖でやってましたけど、今のチームの方が強度とかはもう強い。いつもバチンていく。日本だと守備するときに、ちょっと止まったりすることがありますけど、もうこっちは本当に容赦がない」
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