【無料記事】【記者会見 J1第18節 福岡-鳥栖】「自分たちらしい戦いから脱却して、もう一つ階段を登りたい」/長谷部茂利
2024明治安田生命J1リーグ 第18節
日時:2024年6月16日(日)15:33キックオフ
会場:ベスト電器スタジアム/15,880人
結果:アビスパ福岡 2-0 サガン鳥栖
得点:[福岡]佐藤凌我(45分)、ウェリントン(65分)
◎長谷部茂利監督(福岡);
Q:試合を振り返って
「前半、試合の入りのところは相手が良かった。我々はあまり良くなかった中で耐えることができた。シュートも何本か大ピンチではありませんが危ないなという場面があったので、そこで耐えられたのが得点に繋がったというか、その後に少し盛り返した、30分前後ぐらいからですかね、何回かチャンスを作ることができた。ただ、自分たちのチャンスについては他にもあったので、もう少し精度が高ければ、質が良ければ、フィニッシュの質、入れるボールと中でシュートを打つ選手の質がもう少し高ければ、もう少し加点できたというふうに思います。なので、質の部分は簡単に向上しないんですけれども、力を持っていると思うので、選手たちを信じて、トレーニングを信じてやっていきたいなと思います。今日は内容は五分五分、もしくは相手がボール持っているから、五分五分だと勝手に私がこういうふうにコメントをしていますが、我々的には、もう少し奪ったボールだったり、自分たちのボールを丁寧に、大胆に相手のゴールに迫っていくような、背後に迫っていくような、そういうプレーをもう少ししたいなというのが私の希望です。結果は良かったので、選手には感謝しています。また、今日スタジアムにこれだけ多くの方に足を運んでいただいて、我々アビスパ福岡を後押ししてくださったファン、サポーターのみなさんには感謝申し上げたいです。ありがとうございました」
Q:監督は『もうちょっと』という感想をお持ちですが、試合を観る限り、アビスパらしいというか、相手の時間帯をきちんと耐えて、試合をコントロールして、取るべきところでゴールを取り、最後まで力を緩めずに戦うというところでは、アビスパらしい戦いができたのではないかと思いますが、その点はいかがでしょうか?
「おっしゃるように『らしい戦い』ができたと思います。ただ『らしさ』も、もう少し成長して良くなっていかないと、『これができたから、らしいから良かったね』ということではなく、そこからの脱却というか、プラスアルファ、もう一つ階段を登りたいなという話を選手たちにもしていますし、自分たちの強度と課題である質のところ、これは先ほども話をしましたけれど、攻撃のところがやはり課題なので、もう少し『らしさ』から、もう一つ上のところに行きたいなというふうに思っています」
Q:今日は宮選手がリーグ戦で久々にスタメンに帰ってきました。守備も安定していた印象でしたが、改めて宮選手の評価と守備全体の評価をお願いします。
「良かったと思います。彼自身、コンディション不足で試合に帰って来れなかったのですが、帰ってきて良い仕事をしてくれたと思います。特に左足のキックとか、左の組み立てとか、そういうところは素晴らしい。また守備のところでも全体に対して自分のサイドではやられない。クロスに対してのポジショニングだったり、3バックでいうと左ですが、副キャプテンなので中心となって選手を引っ張っているような、そういうところもあるかなと思います。いつもロッカールームで素晴らしいコメントをしてくれています。ただ、今日は良かったんですけれども、ああいうふうに足が痙攣して交代するというのはプロサッカー選手にとっては少し問題があるのかなと思います。トレーニング不足でしょうか?まだ両手放しで喜べないなと、そういうふうに思っています」
Q:攻撃に関しては、リーグ戦で3試合連続複数得点で、同じくリーグ戦の無失点試合も2試合連続で続けています。非常に価値があると思いますが、改めていかがでしょうか?
「価値だか、勝ちだか分かりませんが、それなりだと思います。得失点差で言うと、やはり我々は、いつも勝点で並んだときに得失点差で順位が下がってしまう傾向があります。なので、そこをクリアしたときに初めて『得点力上がったね』と言えるような立ち位置です。ただ、これまでは複数得点を簡単にできなかった中で、連続でこういうふうにできるというのは一歩前進、そこからまた次に向かえるんだということを、まずは選手に意識してもらって、コーチから提供してもらって、情報、トレーニングも含めて少しずつ高めていけば継続できるんじゃないかなというふうに思っています」
Q:今日はスタートはウェリントン選手でした。期待に応える活躍だったと思いますが、スタートで使った意図と評価を教えていただけますでしょうか?
「非常に良かったと思います。今、ロッカールームでも伝えたんですけれども、あと2点ぐらい取れたんじゃないかという話をしました。そこに入っていけているし、ボールも来たし、それが予測できたし、その予測通りに近い形で活躍もしてくれました。攻守にわたって、一番前のポジショニングで自分の役割というのを全うしてくれた。他にもフォワードの選手はたくさんいますけれども、彼らが調子が悪いわけではないという中で、天皇杯も含め、コンディションも含め、彼が一番良かった。チームが勝つために必要なスタメン出場というふうに考えていただければいいと思います。非常に良かったです」
Q:岩崎選手のサイドからの攻撃が非常に効いていたと思います。岩崎選手に今日の試合で求めていたことと、それができたのかどうか教えてください。
「真ん中よりもサイドでの役割というのは分かりやすいですね。対峙した選手であったり、あそこのスペースで攻守に渡って自分がプレーできているかというのが大事だと思います。今日はできていたと思いますし、彼自身も、シーズンが約半分終わる中で、あそこのポジションをやることが増えてきました。なので、少し慣れというか、チームの中で自分のポジショニングから、味方との角度だったり、相手とのスペースの取り合いだったりということに、非常に慣れてきているんじゃないかなというふうには感じています。つまり、そこから良いプレーが少しずつ増えてきているし、今日は最後は代えましたけれども、活動量、運動量も相当高いものがありますし、向いてるんじゃないかなというふうにはずっと思っています。役割をこなしてくれて非常に良かったです」
Q:先制点を入れた佐藤選手の評価と、監督からご覧になった彼の持ち味というのはどういうところになるのでしょうか?
「まず評価のところで言うと、もう少しボールに触って欲しかったなというのがありました。守備は上手なので、攻撃はボールを20回触れとは言いませんが、1回、2回触らないとなかなかアクセントがつけられない、自分も調子が出てこない、そういうのが選手だと思うので、もう少しボールを入れてあげたいし、触れれば良かったのになと。ちょっと回数が少なかったかなと思います。そんな中で、ああいうふうにチャンスを嗅ぎ分けて、ゴール前での得点を取るというのは彼の長所だと思います。今聞かれた彼の長所はそういうところですね。ボールを繋ぐ潤滑油的な役割もできますが、やはり一番大事なゴール前での得点を取る、アシストができるというようなところが、彼の一番の長所だと思います。それが今日は出せたので、本人も良かったしチームとしても助かりました」
Q:先ほど30分ぐらいからチャンスが作れるようになったとおっしゃっていましたが、それは何かベンチからアクションを起こされたのか、それとも、ピッチにいる選手たちがコミュニケーションを取りながら修正を図ったのか、どちらでしょうか?
「ピッチの中で自分たちで修正してという形だと思います。その逆にというか、選手たちの修正もあったと思うんですが、相手のミスも何度かあった中で、そのミスを逃さずに自分たちの流れに持っていくことができたと思います。ベンチから私はワーワー言ってますけれども、今日なんか何も聞こえないと思います。なので、おそらくゲームが止まったときに『どういうふうに持っていこうか』と話をしたり、『あそこを狙っていこうよ』ということを話していると思います。もちろんハーフタイムには話をしますが、それがそのままうまくいくというわけではないので、基本的にはプレーをしている選手たちがいつもいろんなことを修正していく。それでプレーをしていく。それが我々アビスパ福岡だというふうに選手たちにも認識させさせています。時々コーチのアドバイスです」
[中倉一志=取材・構成・写真]