石井紘人のFootball Referee Journal

【無料記事/EURO2016準決勝】ユーロの命運はハンドリングが握る?

■フランス×ドイツ ニコラ・リッツオーリ審判団

45+1分。フランスのCK、前に入ろうとするフランス選手とは逆に、ペナルティーマークに早い弾道のキックが送られる。あわててシュバインシュタイガーが競りに行くが、腕を上げて競りに行ってしまい、ボールが当たってしまう。手にボールが当たれば、ハンドリングが適用される可能性があり、あのような腕の上げ方は【ボールの方向への手や腕の動き】からハンドリングとされやすい。ハンドリングの適用は妥当といえる。シュバインシュタイガー自身も「ボールの方に向かおうとしたが、なぜ手を上げたのかは説明できない」(キッカー誌)と反省していたようだ。ドイツ×イタリア戦に続き、ハンドリングがポイントとなった。

 

■ポルトガル×ウェールズ ヨナス・エリクソン審判団

1分、アレンの引っかけたファウル。2分のロナウドへのタックルは、ボールにプレーできているとする。神経質に笛は吹かない。直後は腕をしっかりとった。8分、ボールを奪われた所をキッキングで止めたアレンに警告。9分のロナウドとの空中戦時の腕は、競り合う前に離したためとらず。ギリギリか。

19分、ロナウドが遅れて競ったため、一瞬、ウェールズの不満が起きるが、軽く笛を吹き、右手をあげ“そこまでの接触じゃない”とポスチャーで示す。表現力で試合を落ち着かせた。47分にはボールが当たってしまうが、リフレクションしており、予測は難しい。直後の倒れたシーンも基準通りとらない。54分には得点後のプッシングだったため、試合のテンションがあがらないように、厳しく笛を吹き落ち着かせる。そのFK時にも、ポジション争いに早めに介入するなど、イエローランプが点滅されている。

62分、ロナウドのドリブルを引っかけてとめたチェスターに警告。71分、GKのリスタートを邪魔したアウベスに警告。72分のロナウドへの警告も、笛が鳴った後にボールを蹴った遅延行為か。88分、足を高くあげ、相手に接触させてしまったベイルに警告。大枠は抑えられているレフェリングだった。

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