FIFA U-17女子W杯 スペイン 0-2 日本 ベネガス審判団評:3
■主審:ベネガス(メイキシコ)
採点:3
女子サッカーの魅力って何?
そう聞かれたら、迷わずこう答える。
「清々しさですね。」
この試合の7分。
ゴールラインを割っていたということで日本の追加点がノーゴールとされるが、日本の選手たちは抗議をしなかった。
あきらかなボールアウトではない。男子サッカーならば、間違いなく抗議が起こり、【異議】でのカードも出るかもしれない。
そんな判定でも、“リトルなでしこ”たちは異議を唱えず、次のプレーに移った。既に1点リードしている余裕もあったかもしれないが、それでも彼女たちが審判に詰め寄るシーンは想像できない。“なでしこ”がアメリカのハンドを受け入れたように。
それを弱腰と批判する方もいるが、それでも“リトルなでしこ”は優勝を手にした。こんなに爽快なことはない。
そんな試合のレフェリーを務めるベネガス氏も、“一生懸命プレーする中で起きたファウル”をしっかりと見極めていく。そのなかで、自身が判定をブレさないことが重要になる。7分のホールド、16分のキッキング、19分のプッシング程度しかファウルのない展開。もちろん21分のように、セットプレー前にはポジション争いで注意を与えるなど、マネジメントは行っていく。
そんな中で、67分のスペイン選手のホールドにはパフォーマンスとして注意があっても良かったように思う。
74分、セットプレーのポジション争いで、児野を執拗に押して、その前にも注意を受けていたピラールに警告。プライオリティが整理されている。副審も的確な動きをみせ、78分の児野のゴールも、スペイン選手が残っていたのをしっかりと見極めた。
妥当な判定で試合は進むが、83分のスペイン選手が倒れたシーンの笛は、タイミング含め微妙だった。また、84分の抜かれた所を戦術的目的でファウルしたということで宮川に警告が与えられたが、やや厳しい判定だ。逆に90分の笛が鳴った後にボールを蹴った児野への警告は妥当である。
育成年代では初、フル代表を入れても2011年W杯以来2度目という快挙を成し遂げた、強さとフェアを兼ね備えた“リトルなでしこ”たち。フェアだから強いのか、強いからフェアなのか。そんな審判員目線での議論も一興である。
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