【オピニオン】ブラジル人と審判員
全員とは言わないが、多くのブラジル人監督たちが言うコメントがある。
「審判に異議を唱えなければ、次はもっと不利な判定になる。」
Jリーグの取材をし、ブラジル出身の監督たちに話を聴くと、これは文化の違いなのでは?と感じることがある。
大袈裟な表現をすれば、フットボールにおいての性善説と性悪説(戦争を知らない子供達と平和を知らない子供達)。
今月12日に起きた事件は、そんな思いをより強くさせた。
ブラジルのサンパウロで行われたコパ・スダメリカーナの決勝戦。
0-2で負けていたアウェイのアルゼンチンのクラブ、ティグレの選手たちがハーフタイムが終わってもピッチに姿を現さず、審判が放棄試合を宣言してホームのサンパウロの優勝が決まったのだ。
その裏には、衝撃の事態が隠されていたと北川信行氏はレポートする。
前半から両チームの選手が小競り合いを繰り広げる荒れた展開で迎えたハーフタイム。ロッカー室に引き揚げたティグレの選手たちを追いかけるように武装した競技場の警備員らが乱入。AFP通信や米FOXスポーツ(電子版)によると、ティグレの選手らは「警備員が入ってきて警棒で何度も殴打し、拳銃を胸に突きつけられた」と証言。アルゼンチンのテレビ局は血が飛び散ったと思われるロッカー室の壁や、顔面にあざをつくり、流血しているティグレのチームスタッフの姿を映し出した。
このため、ティグレの選手たちは安全が保たれないとして後半のプレーを拒否したのだという。
一方で、ブラジル当局は警備員とティグレの選手が格闘したことは認めているが、警備員が武装していたことは否定。そのうえで、「双方に負傷者がいた」と一方的な襲撃ではなかったと主張している。
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