石井紘人のFootball Referee Journal

【無料記事/連載:Jリーグ紀行第2回】2012J1第4節 浦和×川崎 家本政明審判団評

試合後、記者室で休んでいると長く浦和レッズを取材されている先輩ライターに声をかけられた。

 

「石井ちゃん来ているから、家本だったんじゃない?」

 

「ちゃんと書けってことですかね?」

 

「そうだよ。良い時は良いって書かないと。採点いくつなの??」

 

「家帰ってTV見ますけど、まぁ4ですかね。」

 

「そうだね。俺は浦和の血が流れてるけど、まぁ悪い意味での槙野劇場になっちゃったよ」

 

そういう感覚で試合を見ていただけに、試合後の浦和サポーターの審判団への大ブーイングには驚いた。もし、不満があるとするならば、川崎サポーター側からだと思っていた。そんなことを考えていると、相馬監督が記者会見場にあらわれる。

 

「選手たちは粘り強く、最後、もうちょっとで勝てるという所までいった。風と雨で普通のゲームはできないかなと。ただ、思ったよりボールを回せた。最近のレッズの試合を見ると、リードされると難しいかなと。そして、リードされるとウチも慌てて攻めてしまうというのがあったが、そうはならなかった。」

 

―相馬監督のおっしゃる通りだと思います。けど、最後、3枚裏に残ってましたよね。浦和が9人というのを考えると、パワープレーで勝負に出て、前でボールを拾うというやり方もあった。なぜ、もっと前に出なかったのですか?

 

「ボールを動かしてサイドから崩そうと思っていた。」

 

この後も、相馬監督のコメントは続くのだが、これが、家本主審があのタイミングでタイムアップの笛を吹いた理由ではないか。

笛が鳴る十数秒前に家本主審は時計を見ている。それでも、吹かなかったのは、川崎にラストワンプレーを与えたのだと思う。しかし、川崎は、簡単にはボールを入れない。当然、時間は過ぎているため、笛を吹かざるを得ない。

 

では、最後に、ペトロビッチ監督の審判批評後のコメントを。

「誰もがミスをするのがサッカーです」

 

~採点基準~

5:彼なしに試合はありえなかった

4:普通に試合を終わらせた

3:ミスにも見えるシーンがあったが、試合に影響はなかった

2:試合に影響はなかったかもしれないが、カード・得点に対する微妙なシーンがあった

1:ミスから試合の流れを変えてしまった

0:試合を壊してしまった

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