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「ドーレくんは大好きだけど、ベタベタしたいわけではない」 マスコットに救われた話 ぽんぽ子(札幌&いわきサポーター)

 月イチ連載の「マスコットに救われた話」。タイトルそのままに、マスコットが大好きな方々に、毎回「マスコットに救われた話」について語っていただく。

 今回ご登場いただくのは、北海道コンサドーレ札幌といわきFCのサポーター、ぽんぽ子さん。彼女は素敵なイラストの描き手で、いわきFCのウェルカムボードを1年間にわたって提供してきた。また、独特の世界観と文体の持ち主でもあり、自身のnoteで描かれたドーレくん像にも、それらは遺憾なく発揮されている。

 そんなぽんぽ子さん、実は北海道とは縁もゆかりもない半生を送ってきたという。そうなると、コンサやドーレくんとの出会いが気になるところ。さっそく、ご本人に語っていただくことにしよう。(取材日:2024年5月27日、オンラインにて収録)

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大きいドーレくんを背負って高尾山に登った理由

 去年から今年にかけて、コンサは怪我人が多いんです。去年の11月、深井(一希)選手が負傷した時も衝撃的でした。

 離脱が発表された直後、クラウドファンディングの返礼品として「なまらでっかいおっちゃんこドーレくん」という、大きいぬいぐるみが届いたんです。それを背負って、高尾山に登るという暴挙に出ました。自らに苦行を課して、深井選手が1日でも早く復帰することを祈念するためです。登山なんて、ほとんどやったことがなかったんですが(苦笑)。

 大きいドーレくんって5万円もしたから、部屋に置いておくだけだと損だと思ったんです。それに「圧倒的ニータン」を連れている大分サポを見ていると、何だか楽しそうじゃないですか。実際に大きいドーレくんを試合会場に持っていくと、知らない人が親しそうに話しかけてくるんですよ。笑顔がどんどん広がっていく感じで、何だかいいことをしたような気持ちになります。

 ドーレくん推しということもあって、北海道出身と思われることが多いですね。期待を裏切って申し訳ないんですが(笑)、出身は茨城で今は東京暮らしです。旦那が札幌出身で、そこからコンサとの縁が生まれたという感じ。じゃあ、なぜ故郷のクラブを応援していないかというと、いろいろ事情がありまして……

 両親については「他界した」ということにしています。兄と姉もいますが、ずっと疎遠。高校卒業後、福祉教育が学べる大学に進学するために、ずっと福島でひとり暮らしでした。当時は先生になりたいというよりも、子どもたちのためになりたいという気持ちのほうが強かったですね。ただ、実習で児童養護施設を訪れた時、衝撃を受けました。あまり詳しいことは言えませんが「こんなことが日本にあっていいの?」という現実に直面して、自分には無理だなって。

夫の影響でコンサのサポーターになって

 結局、先生になることは諦めましたが、福島で学んだことは無駄ではなかったと思っています。子どもたちを巡る、この国の現状を知ることはできましたし、福島の人たちには本当に良くしてもらいましたし。卒業後はいわき市で別の仕事に就いて、結婚を機に東京に出てくることになりました。

 コンサの存在を教えてくれたのは、都内で働いていた夫との出会いがきっかけです。きっかけはネトゲ(笑)。それまでタイピングでコミュニケーションしていて、東京ビッグサイトのイベントで初めてリアルで出会いました。ひと回り年上のエンジニアで、仕事の内容を聞いてもよくわからなかったけれど、コロナで大変だった2020年に結婚しました。

 Jリーグを現地観戦するようになったのも、もちろん夫の影響です。ちょうどコロナの真っ最中で、スポーツ観戦しているとは思えない静けさでした。印象的だったのは、遠目からも選手の身体が大きく感じられたことですかね。ただ、最初はそんなにサッカーが面白いとは思えなかった。90分は長すぎるから「先に点を決めたほうが勝ちにすればいいのに」とか、本気で思っていました(笑)。

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