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ただ変えればいい話ではない「リブランディング」 FC琉球のエンブレム変更はどこが問題だったのか

 2023年も残り2カ月となった。今シーズンも終盤戦を迎える中、早くも来季に向けた話題を耳目にするようになった。といっても、監督や選手の人事往来がニュースになるのは、もう少しあとの話。このところ、いくつかのJクラブでのリブランディングによる、エンブレム変更が話題になっている。

 先週、1026日にはFC琉球が、そして28日にはFC東京が、それぞれ来季から使用する新エンブレムを発表している(FC琉球はこちらFC東京はこちら)。このうち琉球の新エンブレムに関しては、どうもファン・サポーターを中心に反応が芳しくない。

 3つ目のポストは、地域決勝でJFL昇格を果たした2005年から琉球を応援している、池間弘章さんによるもの。池間さんは、那覇市にあるフットボールカフェ「CAMP NOU(カンプ・ノウ)」のマスターとしても、サッカーファンの間ではつとに有名だ。今回発表された新しいエンブレムについて意見を求めると「ポジティブな感想はありませんね」とした上で、こう続けた。

「このエンブレムから、琉球のアイデンティティである『対のシーサー』と琉球王朝の『王冠』を認識するのは難しいですね。残念な出来栄えと言わざるを得ない。エンブレムというのは、単なるマークではないんですよ。苦しい時や歓喜の時を分かち合い、支え合う家族のような大切な象徴であり、それが地域のアイデンティティとして育っていく。そういったことが、まったく伝わってこないことに喪失感を覚えます」

 FC琉球については、クラブ側にもファン・サポーター側にも、知り合いや仲間がいる。が、今回の件については後者の側に立つべきだと判断した。リブランディングという発想そのものを否定するつもりはない。が、ただ変えればいい、という話でもない。そこで以下、本件の何がまずかったのかについて考察する。当該クラブはもちろん、今後リブランディングを検討しているクラブにも、参考になれば幸いである。

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