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宇都宮徹壱ウェブマガジン

ハムシクの輝きに魅了され、「母国」の行動様式に感動する 短期連載『徹壱の仏蘭西日記』第5回 6月15日(水)@リール

■カメラを預けてスタジアムへ

 フランス滞在5日目。この日からグループリーグ2巡目となり、ここリールでは15時からロシア対スロバキアのゲームが行われる。多くのフランス国民は今日の21時からマルセイユで開催されるフランス対アルバニアに関心が向いているだろうが、私としては滞在5日目にして初めてスタジアム観戦できるのが何よりうれしい。このカードを選んだのは、ロシアやスロバキアに対して強い思い入れがあったわけではなく、単純にこういう渋いカードしかネットで購入できなかったからだ。今回はカードそのものよりも、スタジアムの雰囲気を存分に楽しむことにしたい。

 ホテルから歩いて5分ほどにあるレピュブリック駅から、スタジアムの最寄り駅であるスタッド・ピエール・モロワ駅までは15分ほど。そこから徒歩12分ほどで今日の会場『スタッド・ピエール・モロワ』に到着する。ロシアといえば、11日にマルセイユでイングランドサポーターと衝突する事件を起こしたばかりだが、この日の警備は拍子抜けするくらい緩かった。

 もっともチケットエリアでの荷物チェックは入念で、私の一眼レフの持ち込みは断られてしまった。「悪いね、ムッシュ。これは規則なのでこちらで預からせてもらうよ」と係員。ここ2〜3年の間、欧州の主要リーグでチケット観戦をしているが(UEFA主催のチャンピオンズリーグやヨーロッパカップも含む)、カメラ持ち込みを禁じられることはなかった。やはりEUROだけは特別、ということなのだろうか。仕方がない、ここから先は割りきってiPhoneで撮影することにしよう。

 キックオフ1時間前、スタジアムに入場。簡単なバーコードチェックでゲートを通り、そのまま階段で3階に上がる。バックスタンド最上階の左端で、両ゴール裏の天井部分をつなぐトラスがあるため大型スクリーンは見切れてしまっている。それでも球技専用スタジアムなので、ピッチ全体の状況が手に取るように見えるのはありがたい。スタジアムの屋根は開閉式だが、この日は閉じていたので巨大な室内アリーナのようにサポーターの歌声が共鳴していた。キックオフ直前には、スタンドはほぼ満席。地味なカードながら、それなりの高揚を感じつつ試合開始のホイッスルを聞いた。

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