【コラム】今季はJ1、J2の降格をなしとする方針を固めたJリーグ、リーグ戦への影響は?
新型コロナウイルスの影響で、4月3日までのリーグ戦の開催延期が決定しているJリーグは、臨時の実行委員会を開催し、各カテゴリーの昇降格について今季のJ1、J2の降格をなしとする方針を固めた。
ホームゲームとアウェイゲームがJリーグの規定以上に連続する可能性があること、各地域の感染状況によっても公式戦での公平性を担保できないことなどが、その理由だという。無観客試合であっても試合開催には多くの人材が必要で、感染の拡大阻止を確実にすることは難しいとの判断もあったという。
昇格については、J2、J3の上位2チームは通常通り自動昇格させる方針で、その場合は来季のJ1は20チーム編成となり、下位4チームが降格する扱いとなる案が浮上。詳細は25日にも決めるとしている。
今季の長崎はJ1昇格を目標としているが、それには2位以内が絶対条件となるため昇格の厳しさは増す。また降格の可能性が消えたことで、思い切った若手への切り替えなどを検討するクラブもあるだろうし、最下位であっても途中補強を行わないクラブが出てくる可能性もある。逆に2位以内に入るための、例年以上に積極的な途中補強が上位陣で行われる可能性は高く、例年以上に読みにくいシーズンとなるかもしれない。
J2は上位2チームのみが昇格となるため、2位以内の可能性が消え、消化試合となったクラブの集客が落ち込むことも予想される。昨季の長崎はJ2第38節(10月27日)が終了した時点で、J1自動昇格圏である2位以内に入る可能性が消滅し、翌週の第39節(11月3日)でJ1参入プレーオフに出場する可能性も消滅した。2位以内の可能性が早々に消えるようなことがあれば、再開したリーグ戦での集客にも大きな影響がでるだろう。
新型コロナウイルスが、スポーツ全体に影響を及ぼす時期はまだまだ続きそうだが、一刻も早い終息と、安心してサッカーができる日常が戻ることを祈りたい。
reported by 藤原裕久