【対談】ヘルタ育成部長パブロ・ティアムに聞いてみた②「若い世代と経験豊富な指導者との組み合わせ+選手としての経験が重要」
▼ 育成現場に求められる指導者とは?
僕が暮らすフライブルクでは若い指導者がとても戦術的なアプローチばかりをしたがる傾向が増えてきている。以前所属していたフライブルガーFCではそんなディスカッションをよく耳にしていた。
「ペップ・グアルディオラだったら…」
「いや、ユリアン・ナーゲルスマンによると…」
「でも、トーマス・トゥヘルの理論だと…」
そして育成部長はそうした雰囲気を《良いもの》として歓迎していた。戦術的なディスカッションが悪いなんてことはない。そうやってサッカーに真剣に取り組もうとする姿勢は素敵なことだ。そしてそうした学びをしないのはサッカー指導者としてはやはり問題。
でも育成指導においては、戦術的なアプローチだけが解決策なわけではない。サッカーには様々な要素が求められるし、特に育成年代では様々なアプローチが大切だ。
戦術的な知識に加えて方向性の提示、年代別の経験、コミュニケーション能力。
そう考えると例えば若い世代の指導者と経験豊富な指導者との組み合わせや交流というのは、きわめて重要になると思われる。
タレント育成で定評のあるブンデスリーガクラブ、ヘルタ・ベルリン育成部長パブロ・ティアムもこの点について、同意を示してくれた。
ティアム「その通りです。そして私はその一つ先へいきたいと思っています。若い指導者か経験豊富な指導者かだけではなく、現場には《選手としての経験がある指導者》がいなければならない、と。それが重要なミックスだと思います。プレー経験しかない指導者だけではダメ。でも理論的なアプローチばかりで現場のことを知らない指導者だけでもダメなんです。お互いがお互いから学べるような組み合わせを考慮することがとても大切ですね」
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