【女子CL】欧州女子サッカー界の成長スピードはすごい。日本サッカー界はどのように見られているのだろう?
女子CLがすごい。すごいというレベルを超えてきた。先日開催されたCL準々決勝のバルセロナ対レアルマドリードの一戦はなんと9万人越え。この数字は何よりも大きなプロモーションとなる。
9万人超えだよ?女子サッカーだよ?
信じられんけど女子サッカーに夢があって
これだけ欧州の女子サッカーは進んでるpic.twitter.com/cQnsF08UU2— ??加藤みづほ / MIZUHO KATO (@mizuuu18) March 30, 2022
ドイツだとバイエルンがクラブチームとして初めてアリアンツアレーナで試合を開催。パリSGとの準々決勝ファーストレグでは普段女子ブンデスリーガだと1500人が普通なところが、13000人もの観衆が集まった。スタジアムの雰囲気もとてもいい。みんなが素直に、夢中になって試合を観戦していた。
ドイツ代表クララ・ビュールのゴールで1点差に迫った終盤には本当にスタジアムが一つになる感覚がそこにはあった。これが《サッカー》の素晴らしさだ。一緒に盛り上がって、一緒に悲しんで、試合が終わったら、健闘を称えあって、また次へと歩んでいく。年代とか性別とかレベルとかカテゴリーとか関係ないんだ。

女の子グループがたくさん観戦に

試合前にみんなで記念写真を撮る人たちがたくさん

みんなでウクライナの平和を祈る

13000人の観衆が見守る中キックオフ

1点差に詰め寄るゴールに沸き立つ観客

試合後の円陣。セカンドレグへ
よかったのは雰囲気だけではない。試合内容も素晴らしかった。ファーストレグもハイレベルだったが、セカンドレグはさらにスリリングな展開に。
パリとの初戦を1-2で落としたバイエルンをコロナがさらに襲っていた。負傷者や累積警告を含めると実にチームの半分の選手が欠場。パリでのセカンドレグではスタメン11人のほか、ベンチにフィールドプレーヤーがわずかに2人だけ。しかも一人は18歳でもう一人は16歳。普段はセカンドチームでプレーしている選手だった。
それでもバイエルンは勇敢に、そして賢くプレーをし続けた。ボールをテンポよく動かし、縦への展開を常に狙う。スペースへ顔を出す選手、スペースへ抜けだしてくる選手がどんどん有機的にからんでいく。ミスもある。相手が好プレーを見せることもある。でも選手は足を止めずに、味方のミスを取り返し、相手の突破を体を張って止めていく。
セットプレーからパリに先制ゴールを許してしまうが、直後にバイエルンが同点に。決めたのは熊谷紗希だ!チームに希望をもたらす大事な大事なゴール。さらにファーストレグでもゴールを決めたビュールがこの日も素晴らしいゴールを見せてくれた。
左サイドでボールを受けるとダイナミックでリズムカルなドリブルからボールを持ち込み、相手をかわすと素早く右足を振りぬいた。これで2試合合わせて同点となった。勢いはバイエルン。でもパリもやはり強い。簡単にはやられない。
その後は両チームとも惜しいチャンスを作り出すが、どちらのGKも素晴らしいセーブの連続で試合の緊張感を高めていく。交代選手がほぼいないバイエルンからしたらなんとか90分で勝負をつけたいところだったが、結局あと一点が奪えずに延長戦へ。
最終的にバイエルンは力尽きた。気力を振り絞っても最後は体が動かない。本当に全身全霊で戦っていた。
試合には負けたけど、この試合がもたらしたものはとても大きかったと思うのだ。試合後のドイツサッカーファンからの反響は相当なものがあった。
・女子サッカーをこれまで見てこなかったけど、今日の試合はすごかった。すべてが詰まっていた。
・懸命に戦う選手の姿に感動した。
・エンターテイメント性も高かったし、試合の緊張感と試合のレベルとがとても高かった。
・バイエルン選手は本当全ての力を出し切っていた。本当に素晴らしかった。
国内リーグの環境や観客数がこれで急激にアップすることは正直ないと思う。それでも女子CLは一つのステータスを作り上げている。ここで作り出した流れを大切にし、それをそれぞれの国で生かしていくことで、次のステージに進んでいくことができるはずだ。
欧州女子サッカーの発展から目が離せない。
《ファーストレグのダイジェスト》
《セカンドレグのダイジェスト》
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