中野吉之伴フッスバルラボ

目の前の子どもがサッカーのすばらしさや楽しさを知っているからより良いものが継承されていくことを大人は理解すべき!

▼読者からの質問3

子どもは楽しくなったり嫌になったりを繰り返しながら練習に参加するものだと思います。だから一時の気持ちの変化で、親として右往左往はするつもりはないのですが、それはクラブの体制によるとも考えています。

うちの子が所属するクラブには、地域のカップ戦をすべてレギュラー組で勝ちに行くのではなく、控えの子を中心に出場させる大会を設けたりするなど、全員平等に試合に出る機会を定期的に作ってもらえるように提案しています。でも、なかなか変わらないのが現状です。控え組の子もその親もチームでの必要性を感じられず、クラブを去る子たちも徐々に出ています。

私自身、長男だけでなく、三男坊でも同じような状況で子どものモチベーションは下がる一方です。「このまま続けさせていいものか?」という考えが頭の中をよぎります。ただ、うちが住む地域のような町クラブでは「意欲の差がある」ことが当たり前だと思うのです。だから、普通の町クラブでは「サッカーをみんなで楽しむ場だ」ということを前提に運営すべきではないかと感じています。

そこで質問です。

意欲に差がある子どたちが混在しているチームのコーチは、意欲が低い子どもに対してどのような指導をしていますか?

▼中野からの答え

読者からの質問2」は「親としての立場から子どもたちとどう向き合えばいいのか?」という内容でしたが、今回は指導者側からの視点ですね。こうした質問をされた時、私の答えはいつも決まっています。

「サッカーの魅力を正面から伝えていく」

それがどういうことか。それは「グラウンドを走り、ボールを巡って奪い合い、ゴールを狙い、仲間とコミュニケーションを取り、相手を揺さぶり、勝って笑い、負けて悔しがり、そして、次の練習や試合を待ち遠しく家路につく」ということです。

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