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【《前編》2023シーズン⚽️鹿児島をJ2昇格へ導いた指揮官−大島康明監督インタビュー】

【《前編》2023シーズン⚽️鹿児島をJ2昇格へ導いた指揮官−大島康明監督インタビュー】

 

今年悲願の“J2昇格”を勝ち取った鹿児島ユナイテッドFC。

J2昇格への道のりは決して楽なものではなかった。

今年8月22日に鹿児島は大嶽直人監督の退任、事実上の解任を発表し登尾顕徳GMもチームを去った。激震が走るチームをまとめ、J2昇格へと導いた大島康明監督。

2017年からコーチ、ヘッドコーチとして鹿児島を支え続けた大島監督は、監督として今シーズンどのような想いで戦ってきたのかー。

じっくりとお話を伺った。前編・中編・後編の三部構成でお伝えします。

Q・J2昇格おめでとうございます!

 

ーありがとうございます

 

Q・改めてJ2昇格を決めた瞬間の気持ちはどんな気持ちでしたか?

 

ー瞬間の気持ちは・・・本当にホッとしたという気持ちだったのですが、泣いてる選手たちを見て、そっちの感情の方が強くて。なんだろう・・これだけ背負っていたんだ彼らは・・とか。これだけのことを成し遂げたんだという、彼らから受けた感情というものの方が強くて。自分がどう感じるかよりも、という感じですね。

 

Q・ご自身の嬉しかったかより選手への感情だったのですね

 

ー自分の感情よりもやっぱりあそこで泣いている選手の方に自分が感情移入したというか。

 

Q・監督は・・泣きましたか?

 

ーあれ映ってないからよかった。(笑)

涙は・・・スタッフに“オーシさんが泣くとは思わなかった”と言われました。

思うところというか、彼らを見て自分の感情がそう触れたっていう感じかな。

 

Q・選手たちを観て涙が出たんですか。

 

ーはい。もうそんな感じですね。選手が泣かなければ泣いてなかったかもしれません。

 

Q・選手も背負っていたと思いますが、監督も想像ができないくらい・・背負っていたと思います。

大島監督が監督に就任してからの3ヶ月。どんな3ヶ月でしたか?

 

一瞬のようだし、永遠に続くような。毎日が早いようだけど永遠なのかな、というぐらいの時間の感じ方でした。

自分はピッチで選手たちとトレーニングすることに全て注ぎ込んだので、練習の後はパワーが残っていないからまた少し休憩して次の日の事をプランニングしていくという毎日を繰り返していました。

目の前のことを全力でやるという3ヶ月だったのかなと。

当然中長期的なプランニングはしますけど、やっぱり一番にあったのは目の前の選手と目の前のピッチだったかなという感じでした。

 

Q・練習トレーニングが終わったらパワーが残ってないくらい・・そのくらい注ぎ込んでいたんですね!

 

ーそうですね。残ってないので、いつも自分はスタッフミーティングする前に、15分〜20分仮眠を取って、もう1回よしやるぞ!と。スタッフとまたいろんな話をしてミーティングしてという感じでしたね。

Q・本当に全力なんですね。

 

ー全力でやらないと全力を求められないので。100%を求めているんで、自分が全力でぶち当たらないとという信念は持っていましたね。

 

Q・その分J2昇格が決まって最終節が終わったときの安堵感はありましたか?

 

ー安堵かあ。安堵っていうのは特になかったです。

なかったというより自分は選手たちをずっと見ていて、選手たちがどう感じたのかとか、どういうプロセスだったのかを回想していたからかもしれません。

 

Q・今だからこそ・・伺います。終盤やっぱりなかなか勝利が遠のく試合が続いて、琉球今治と苦しい戦いだったと思いますがあの頃のお気持ちどんな気持ちで戦っていましたか?

 

ー気持ちですか・・・

 

Q・苦しかったですか?

 

ー苦しい・・・。これ難しいですよね。監督の背負っているものとか、監督のプレッシャー、ストレスというものを、周りに知ってもらうこと自体が不可能でわがままなことだというのをJ1で監督されている方にに言われたことがあるんです。

この時期それを理解しようとしてもらうこと自体が、無理なんだということをお話してもらったことがあって。

だから苦しかったは苦しかったですけど、そういうもんなのかなという感じでした。

でも・・そういう電話を(J1の監督さんと)してるということは・・苦しかったんでしょうね。

 

同じ監督業をやっている方ががそうやって言ってくれることによって、消化できたものたくさんあって。

各クラブ同じリーグの監督さんでも、今でも連絡を取ってくれる方とか、J1J2の監督でも気にしていろいろ言ってくれる方がいるので、そういう人たちに影では支えられてっていう感じではありますね。

Q・監督同士にしかわからないことがはきっとあるんですね。

 

ーそうですね。

表現の仕方もすごく難しくて、言葉にすればあの状況は“苦しかった”という表現にはなるんでですけど、ただ一番苦しかったのは選手が本当にもがいている中で、本来の選手の力を出し切らせてあげられない試合が2試合続いたというところが個人的に苦しんだ部分でした。

 

Q・いつも目線がそうやって選手の気持ちに寄り添うというか・・大島監督はそういう監督なんだなと改めて思いました。

 

ー選手がやるスポーツなので、選手たちと向き合うっていうのが一番大事かなと思っています。

 

中編へ続く  》》》

 

(インタビュー・有賀真姫)

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