JFLも大混戦!番記者座談会LIVE(J論)【4/3(木)21時】

「football fukuoka」中倉一志

【中倉’Voice】このままでは終われない。ブーイングに込められた想いを形にするホームで戦う名古屋戦。勝点3を取りにいく

9月28日、駅前不動産スタジアムを包み込んだ熱気を正確に表現する言葉を見つけるのは難しい。アウェイ側ゴール裏に描き出されるアビスパサポーターのコレオ。両チームのサポーターがチームとダービーという特別な試合への想いを乗せて歌うチャントは、まるで地の底からわき上がるようにスタジアム全体を包み、サポーターの動きに合わせてゴール裏スタンドが揺れる。その熱い空気はひと時も冷めることなく、90分間に渡ってスタジアムを包み込んだ。

ホームのサガン鳥栖は9戦勝ちなしの最下位。アウェイに乗り込んだアビスパは10戦勝ちなしの13位。ともにチーム状況は良くない。試合の内容はそんなチーム状況を表すように攻守に渡って互いに物足りなさが感じられる。それでも、互いのサポーターは熱い想いをぶつけ合う。それは「ダービーに内容はいらない。とにかく勝て!」という想い。そんな想いに押されて、選手たちはうまくいかない中でも必死になって相手に食らいついていく。

だが結果はスコアレスドロー。うなだれる両チームの選手たち。そしてアビスパサポーターから強烈なブーイングが選手たちに浴びせられる。中には心無い言葉も聞こえてきたが、それもすべてをかけて戦ったからこそ。90分間、アビスパへの想い、福岡の町の誇りを胸に、チームと共に最大出力で戦ったからでもあった。

もちろん選手も同じ想いでいる。サポーターの想いはしっかりと届いている。
「3ヶ月も勝っていないので当然の反応だと思う。選手は勝てるように取り組んでいるが、結果が出ていないのでもどかしい想いもあるだろうし、その試合に対する批判と『頑張れよ』というメッセージだと思う。僕らも同じ想いをしている」。そう話すのは前寛之。そして金森健志も「サポーターのみなさんだってブーイングはしたくないと思う。僕たちもブーイングではなくて、みんなが喜んでいる笑顔が見たい。まずはひとつ結果を出して、みんなで喜べたらいいと思う。

そして本日(10/4)19:00、ベスト電器スタジアムで名古屋グランパスとの試合がキックオフされる。名古屋は14勝4分14敗で8位。開幕3連敗。第11節からは4連敗を含む8戦勝ちなしと思うような結果が得られない時期も過ごしたが、現在は3連勝中と本来の力を発揮してきている。そんな名古屋を長谷部監督は次のように警戒する。
「いろんな角度から、いろんな選手が点数を取れる。強みを持った選手、長所だらけのチームだと思う。何名か移籍で出ていってしまったところで、そこの戦力が落ちたのかなと思いきや、また新たに選手を取って戦力が上がる、落とさずにキープすると言うよりも良くなっていく。そういうことも感じる」
どの相手との試合もそうだが、難しい試合になることは間違いない。

だが戦いの場所はアビスパの聖地・ベスト電器スタジアム。ダービーとは違った意味で勝たなければいけない試合であることは間違いない。磐田戦、鳥栖戦と2試合続けて無失点で試合を終わらせたが、アビスパのベースである堅守は取り戻しつつある。その要因は、勝てない試合が続く中、自分たちはどうやって勝点を重ねてきたのかを改めて再確認したことにある。

「シュートを打たれるのは致し方ないにしても、失点をしないようにするために、ディフェンスライン、ゴールキーパーで最後のところを抑えるということを意識付けて、ヘッドコーチの提案もあって、もう1回整理しようというということでトレーニングを入れたことでよくなった。『練習は裏切らない』ではないが、積み重ねているところを、『これまでの積み上げはどうなってしまったの?』と忘れてしまっていたようなところを、もう1回確認したことで良い方に出ている」(長谷部監督)

長谷部監督の言葉通り、名古屋戦は過去4年間で積み重ねてきた堅守をベースに戦うことになる。そのうえで勝利を目指すためにはゴールが必要。まだ高い位置からの連動したプレスでボールを奪う「攻撃的な守備」が見られる時間帯は少ないが、粘り強く戦う中でいつ、どんなシチュエーションで攻撃的な守備を仕掛けるのか。そこが大きなポイントになりそうだ。

前寛之は次のように話す。
「うちが何をベースにして戦ってきたかと言えば守備だったと思う。無失点にできているとういうことは、継続したものを出していくことの方が大事だということ。そして90分ある中で、流れや雰囲気、その時間が長いか短いか分からないが必ず自分たちのペースになる時間もある。そういうところで、圧力だったり、人数だったり、思いきりだったり、そういうところで点を取ることが大事」

サッカーにおいて先制点の重要性は言うまでもないが、勝星から見放されているアビスパにとっては、ギリギリの戦いになろうとなるまいと、自分たちのスタイルを貫くためには先に点を取られないこと、言い換えれば先制点を取ることは勝利に向けての必要最低条件。要注意は試合の立ち上がり15分と後半の開始直後の15分。この時間帯に失点しなければ勝機は訪れるはずだ。

さて、鳥栖戦後のブーイングは「俺たちは力の限りに戦う。お前たちも最後まで戦え!」という意思表示。ゴール裏のサポーターは今日も熱い声援で選手たちの背中を押してくれることだろう。メインスタンド、バックスタンドからは、チャントに合わせた手拍子で選手たちを盛り上げてくれることだろう。そして選手たちは声援を力に変えて目の前の相手に最大出力でぶつかっていく。それがこれまでのアビスパの戦い方。その一体感で記憶と記録に残る戦いをスタジアム全体で作り上げてきた。今日こそ勝利を!スタジアムに集う全員の想いを形にしたい。

[中倉一志=取材・文・写真]

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