【無料記事】【選手コメント 天皇杯2回戦 福岡-福山】「次はダービー。良い流れのまま繋げていきたい」/前寛之/鶴野怜樹
天皇杯 JFA 第104回全日本サッカー選手権大会 2回戦
2024年6月12日(水)19:00キックオフ
会場:ベスト電器スタジアム/2,643人
結果:アビスパ福岡 82-0 福山シティFC
得点:[福岡]ウェリントン(30分)、金森健志(43分)、北島祐二(51分)、シャハブ ザヘディ(65分)、松岡大起(72分)、鶴野怜樹(77分)、シャハブ ザヘディ(81分)、松岡大起(88分)
◎前寛之選手(福岡);
Q:天皇杯の初戦という難しい試合で内容・結果ともにアビスパらしい素晴らしい試合でした。どのように振り返っていらっしゃいますか?
「一発勝負というレギュレーションなので、しっかりと対戦相手としてまず気持ちを作って試合に入れたというところが一番だったと思いますし、しっかりとやりたいことができたというところもあるので、内容的にも良かったのかなと思います」
Q:1点を取るまでは、慎重に入ったような、縦に行けないような、そんなイメージでしたが、どのように試合を進めていこうということだったのでしょうか?
「そういう展開になってしまうのも仕方ないのかなと思いながら、ただ焦らずにやっていこうと思っていたので、点が入らないのが良いことではないですけれど、慌てずに90分の中でチームとして勝つことを考えると、そういう時間も別に悪くないのかなと思います」
Q:そういう意味では、先制点を取ってからは攻守に渡ってバランスよく試合を進められました。
「そうですね。よりリラックスできたところもあると思いますし、相手が出てこなければいけなくなった状況というのもあったと思います」
Q:8得点というところもさることながら、6人が点を取り、アシスト、起点等々を考えると、試合に出た全員が得点に絡んでいるというところが何よりも良かったのではないでしょうか?
「得点を決めた選手、アシストした選手、そこに繋がるまでにボールをカットした選手だったり、相手からボール奪った選手を含めると、ほぼ交代選手を含め全員がやるべきことをやれて得点に繋がったと思うので、成功体験も得たでしょうし、これからリーグ戦はまだまだ続くので、そういったところで生きてくればなと思います」
Q:これで公式戦3連勝です。勢いがつくような勝ち方だったので歯ないでしょうか?
「そうですね。リーグ戦もやっと連勝ができましたし、カテゴリーが違えど、一発勝負の大会で勝つことも難しいですし、そういったことも含め、今日含めて3連勝できているので、次はダービーですし、良い流れのまま繋げていきたいと思います」
◎鶴野怜樹選手(福岡);
Q:PKでしたね。
「5-0だったんで蹴ってもいいかなと思ったんですけれど、やっぱり自信がなかったんで、時間もあったし、まだ点を取れる自信があったから最初はシャハブに譲ろうかなと思ったんですけど、周りがもう「イケ、イケ」と言っていたので、いやいやながら行ったのがやっぱり駄目だったのかなという感じだったんですけれど(笑)」
Q:でも鋭く詰められたので、それはそれでよかったんじゃないですか?
「最初『やってしまった』と思って止まってしまったんですけれど、そこで自分のところに転がってきたので、あそこはもう決めるだけでした。まあPK失敗ではないと思うんで(苦笑)。大学の最後の試合でも外して負けてしまって、大学のときからもうずっと『苦手、苦手』と言っていて、最後の大会だったから『思い切り蹴ってこい』とコーチに後押しされて蹴ったけれども結局外して負けてしまったんですけれど、その経験があったから今日決められたというふうに捉えればいいのかなと思っています」
Q:シャハブとはどういう会話があったんですか?
「多分シャハプは、最初は蹴るつもりだったとおもうんですけれど、みんなが俺の名前を呼んでいたから、それで多分、自分の意思を確かめるというか、『You want kick?』と『蹴りたいのか』というふうに言ってきて、それを何回も何回も聞いてきていたので、『こいつ俺のこと試してんだな』と思って、本当に嫌だったんすけど(笑)『蹴る、蹴る』と言ったらボールを渡してくれたんです。もうロッカーでもめちゃくちゃいじられて、試合前にもPK練習するんですけど、いつもずっといじられているんで、入ってよかったなんてという感じですね」
Q:それ以外にもいい場面がありましたね。
「そうですね。シゲさん(長谷部茂利監督)からも『数字を残してこい!』と言われていましたし、今日はシャハブと途中から2トップだったので、フォワードとして得点だったりアシストしないといけないと思っていました。それに加えてイエローカードをもらったり、レッドカードで2人を退場させられたので、自分の特徴が出て良かったのかなと思います」
Q:8-0の快勝。6人が点を取ったことに加えて、アシストや起点になるというところで言えば、ほとんどの選手がコールに絡んだ試合でした。これでリーグ戦にもさらに勢いがつくのではないでしょうか?
「ここまでうまくいくとは、多分、誰も思っていなかったと思います。やはりトーナメント戦は一発勝負で難しさがあるし、前半を見たら分かる通り、相手も勢いを持ってやってくる中で、8点取って勝って次の試合に繋げたのは良かったと思います。今日、得点できなかったり、アシストできなかった選手はめちゃくちゃ悔しがっていたし、それがいい競争になって、またチームのレベルがどんどん、どんどん上がっていくのかなと思います」
[中倉一志=取材・構成・写真]