石井紘人のFootball Referee Journal

無料:エヴェルトンのゴール時、興梠がオフサイドにならなかった理由は①『line of vision』シュート時に明らかに視線を遮ってなく、②『impact』も与えていないため【審判批評コラム】

Jリーグジャッジリプレイ#7』(参照リンク)公開後も、ガンバ大阪×浦和レッズ戦でのオフサイドにならなかったゴールに不満の声があがっている。

ということで、全体の審判批評の前に、「なぜ興梠はオフサイドにならなかったのか?」を掘り下げたい。

 

このシーンには、2つのポイントがある。

まずは、エヴェルトンがシュートする瞬間のGK東口と興梠のポジション。次に、興梠の動きである。

 

一つ目だが、興梠がGK東口の視野や視界に入っているようにも感じられることから、未だにオフサイドとされなかったことへの疑問の声があるが、そもそもで視野や視界といった表現だとサッカー競技規則が見えてこない。

競技規則では『line of vision』、視線となる。

 

明らかに相手競技者の視線を遮ることによって、相手競技者がボールをプレーする、または、プレーする可能性を妨げる。

 

Jリーグジャッジリプレイ』でレイモンド・オリバーJFA審判委員会副委員長も『line of vision』と解説したが、通訳を介したため。また原博実Jリーグ副理事長も「視野」というワードを使ったので、伝わり辛かった部分もあるかもしれない。

 

話を戻して、実際にゴール裏からの映像を見ると、GK東口はエヴェルトンを見ることが出来ている。つまり、明らかに視線を遮られてはいない。飯田淳平主審のナイスジャッジである。

 

次に、興梠が

 

・ボールに向かうことで相手競技者に挑む。または、

・自分の近くにあるボールを明らかにプレーしようと試みており、この行動が相手競

技者に影響を与える。または、

・相手競技者がボールをプレーする可能性に影響を与えるような明らかな行動をとる

 

をとったかになるが、プレーせず、相手を妨害もしておらず、インパクトは与えていない。

審判団の判断は、プレミアリーグのレイ氏が称賛したようにナイスジャッジだった。

 

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