石井紘人のFootball Referee Journal

【DAZNJリーグジャッジリプレイ】ジュビロ磐田×大分トリニータ戦の川又への鈴木の腕、鹿児島×ヴァンフォーレ甲府戦のゴール取り消し、鹿島アントラーズ×湘南ベルマーレ戦の岡本への二枚目の警告での退場

Jリーグ第3節の『Jリーグジャッジリプレイ』(DAZN)が放送された。今回、論点となったのは3シーン。

ジュビロ磐田×大分トリニータの76分の競り合い時の川又への鈴木の腕について、原博実Jリーグ副理事長は、「鈴木の腕は自然だし、川又が近くにいるのを分かっていなかった」と語り、上川徹JFAトップレフェリーグループシニアマネジャーはジャッジの〇×を明言しなかったものの、「現場で見た感じではノーファウルだと思いました。映像で見ると難しい部分もありますが、レフェリーは良いポジションから腕の高さなどからアクシデンタル的と判断しました」。

 

続いて取り上げられたのが、鹿児島ユナイテッドFC×ヴァンフォーレ甲府戦の77分、CKからのゴール取り消し。原氏は「牛之濵のファウル」と断言し、上川氏は「どちらともとれる面もあります。レフェリーはGKの前に相手選手が立っていれば、そこをフォーカスします。そして、この(牛之濵の)右手です」と野田祐樹主審のジャッジを支持した。

 

最後は、鹿島アントラーズ×湘南ベルマーレ戦の44分のアドバンテージの適用。

アドバンテージ後に二枚目の警告を岡本が受けるのだが、アドバンテージから一分近くプレーが続いたため、競技規則的にどうなのかと問い合わせがあったようだ。

上川氏は「明らかな得点の機会ではないため、アドバンテージをとらずに、二枚目の警告を掲出して退場させるべきだった。ただ、難しかったのが、ファウルが起きた瞬間、レフェリー(の位置から)は背番号を確認できずに、二枚目の警告の選手だと分からなかった」と明かした。これはトリオの課題ともいえるであろう。

 

一方で、原氏は「ファウルだけど、(相手の大きなチャンスとなる攻撃を妨害、または阻止するためにファウルを犯すではないため)カードはいらない。あんなに大袈裟に倒れるほど強くはない」と懲戒罰に疑問を投げかける。

これに対し、上川氏は「ファウルがなければ、フリーランニングができて、もっと大きなチャンスになった。そういう意味でも、岡本選手は戦術的目的をもってファウルで止めている」と中村太主審の懲戒罰基準は支持した。

番組の最後に原氏が「勉強になった。最後の(相手の大きなチャンスとなる攻撃を妨害、または阻止するためにファウルを犯す)シーンは色々なとりかたができるし、現場サイドで(の視点で)は絶対やってはいけない岡本のプレー。客観的にJリーグの立場で見ると、あれくらいは流して欲しい。そして、ルールがあって(ルールでは警告だが)そこをまだまだ勉強しないといけない」と締めくくった。

« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ