石井紘人のFootball Referee Journal

2013J1第25節 清水×名古屋 家本政明審判団評:3

■主審:家本政明

 採点:3

 

実況:「下の名前で呼ぶこともあるんですね。杉山選手をコウタと呼ぶように」

 

 

平野孝氏:「選手と良いコミュニケーションをとれるレフェリーですからね」

 

 

この家本主審評は、FBRJ的にはスタンダードでも、一般的には意外だろう。多くの会場に足を運び、取材している平野氏だけに、家本主審のスタイルが伝わったのかもしれない。

 

そんな批評通り、30秒。

裏から押したラドンチッチのファウルをとり、ラドンチッチが不満をみせると、パーソナルスペースに近づいていく。そこで、ラドンチッチが面倒くさそうに“分かったよ”と家本主審の肩に手をかける。

強引に受け入れさせるやり方は、イングランドのレフェリーが得意な部分だ。

2分にも裏からチャレンジした小川のファウルをとり、ボディランゲージで注意を与える。

 

家本主審は、立ち上がりから選手をコントロールしようとし、選手もそれを受け入れていたが、スタンドからはファウルのたびに指笛が鳴る。

 

観客には自由があるが、個人的に、このリアクションはエンターティメントとしては残念に思う。

たとえば、17分に石毛と阿部が競り合いで接触。懲戒罰が出るほどの接触ではないため、家本主審は、阿部とコミュニケーションをとり、石毛に謝罪するように伝える。阿部もそれを受け入れ、石毛も阿部を受け入れたが、観客はブーイングを送る。その後のリスタートに関しても、である。

こういったリアクションもサッカーの一部ではあるが、自らが作り出す雰囲気で、試合が荒れた方向に進んだり、審判員への嫌悪感が高まることも理解して欲しいと思う。自然と、そういう方向に、Jリーグが進むことを願う。

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