限界を超えた、守攻の切り替えの速さ【1日1回読むだけで身につくサッカーの見方の基礎知識】
【1日1回読むだけで身につくサッカーの見方の基礎知識】
■限界を超えた、守攻の切り替えの速さ
近現代のカウンターサッカーの展開力には目を見張るものがあります。特に、守備から攻撃への切り替えの速さには驚かされます。カウンターサッカーとは、ボールを奪ったら少しでも早くボールをゴール前に運び、相手の守備が整わないうちに、少ない人数でゴールに迫り得点を奪う攻撃戦術のことを言います。
守備戦術でどのチームもテーマにしているのは、「時間」と「空間」を相手から奪うことにあります。つまり、「時間」とは、相手に自由にボールを持たせない時間を作るという意味です。「空間」とは、相手がフリーで攻撃を仕掛けられるスペースを作らないことを指します。したがって、攻撃する側は、「時間」も「空間」も狭められた中で得点を奪わないとならないのです。時間と人数をかけずに素早くゴールに迫るために、カウンターサッカーの重要性は増しています。
カウンターサッカーの重要性を保証する点として、「3秒間でゴールに迫る」という考えがあります。前線から相手にプレッシャーをかけて、相手からボールを奪ったら、一気に最短距離を使って前へ前へと疾走します。時には、わざと相手ディフェンスにボールを持たせて、ハードにボールを奪いに行き、一気にスペースに走り込んでゴールに迫ります。
ボールを奪って「3秒間でゴールに迫る」ために、どれだけ素早く守備から攻撃への切り替えができているのか。そんなシーンを注目してみれば、カウンターサッカーの醍醐味が分かります。
川本梅花