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サイドバックの裏を狙う湘南と早めにクロスを入れる浦和【試合分析】明治安田生命J1リーグ #湘南ベルマーレ 2-3 #浦和レッズ

サイドバックの裏を狙う湘南と早めにクロスを入れる浦和

2020明治安田生命J1リーグ第1節
湘南ベルマーレ 2-3 浦和レッズ
https://www.jleague.jp/match/j1/2020/022101/live/

両チームのシステムを見てみましょう。湘南のディフェンスラインは3バックで、3人のセンターハーフ(CH)を置いた「3-5-2」です。一方の浦和のディフェンスラインは4バックで、中盤はボックス型の「4-4-2」です。以下が両チームのシステムを組み合わせた図です。

サイドバックの裏を狙う湘南と早めにクロスを入れる浦和

今季初めて導入されたVAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)によって79分に与えられたPKや、浦和が3バックから4バックへチェンジしたこと、湘南の浮嶋敏新監督がどんなサッカーをやってくるのかなど、注目に値する試合でした。

湘南は、昨季までの縦への早い攻撃はせずに、ボールを大切にして数的優位を作って攻めていこうというやり方をしてきました。湘南の狙いは、「サイドバック( SB)の裏を狙え」です。右SB橋岡大樹と左SB山中亮輔が高い位置をとって攻め上がるので、どうしても浦和はSBの背後が空いてしまいます。そこに湘南は狙いを定めます。湘南は右サイドから左サイドへの大きなサイドチェンジを仕掛けたり、右ウイングバック(WB)の石原広教が山中と1対1の駆け引きをして、ゴールライン付近まで山中を引っ張ってクロスを上げたり、湘南の狙いと攻撃がマッチしていました。

当然、攻撃の意図と実際の攻撃がマッチしているのですから、試合開始からゲームは湘南のペースです。浦和にとって、もうひとつ厄介なことがありました。システムの組み合わせから生じる弊害です。「システムのミスマッチ」とよくいうのですが、湘南の「3-5-2」に対して浦和の「4-4-2」のシステムの組み合わせを見れば、どこが問題なのかすぐに分かります。以下の図を見てみましょう。


上の図を見ると、浦和の両SB前方に相手選手がいない。つまり山中と橋岡は、フリーでボールを持てる状況です。そこで湘南は、SBの裏を狙って相手を押し込む作戦に出ました。湘南の右サイドの石原や左サイドの鈴木冬一がタッチラインに張って縦に強弱を付けてボールを運ぶ意図は、山中と橋岡を敵陣深く押し込むためです。敵陣を攻撃することで自陣を防御する。

対する浦和は、湘南が最終ラインを整えて引いて守る前に攻撃を仕掛けたい。湘南WBが最終ラインに入って引いた形、5バックで守られると、攻撃のスペースがなくなるからです。そこで湘南の最終ラインがラインを下げる前に裏にボールを出すことにします。これが功を奏した結果、興梠慎三の同点弾が生まれます。

山中はボールを受け取ると、ドリブルで駆け上がらず、左サイドハーフ(SH)汰木康也のポジションを見て、ミドルパスを湘南の最終ラインの裏へ出します。そこに走り込んでドリブルからマイナスのクロスを入れました。浦和の3点目も同様な形から生まれます。

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