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【インタビュー】 #大谷秀和「開幕ダッシュは心掛けたい」【無料記事】#柏レイソル #reysol

【インタビュー】大谷秀和(柏レイソル)「開幕ダッシュは心掛けたい」

2019シーズン明治安田生命J2リーグが開幕。柏レイソルはレノファ山口FC、FC町田ゼルビアを下し、開幕2連勝を飾った。ここでは昨季終了後、柏MF大谷秀和に聞いた話を掲載する。シーズンをまたいでいるため、現時点で読みやすいように時系列を修正している点はご了承いただきたい。

――昨季最後の2試合は勝利を得ました。どうして試合に勝てるようになったのか?

大谷 ピッチの中の迷いが消えたからです。いろいろなことを整理しながら、フルパワーを迷いなく出せる状況を、トレーニングから作ってくれていたので。試合前や前日のミーティングも、そんなに長く行わなかった。

――以前はミーティングが長かった?

大谷 そうですね。とにかく、準備をトレーニングからして、試合では出し切ってやるようになったので、最後の2試合を勝てたのだと思います。ただし、あの時点で降格も決まったいましたから、今季の参考にはあまりなりません。ただトレーニングの作り方を間違わないで、選手が自信を持ってやれるようになった、そのことは大切です。

――昨季最後の2試合は、今季の足がかりにはあまりならない?

大谷 別物ですね。でも、最後の2試合の勝利は、トレーニングを通してきちんと作れたことが多いです。J2は、移動や試合数が多い。難しいリーグだと思います。だからこそ、トレーニングが大切になってきます。練習でできないことは試合でもできない。いかにトレーニングが大切なのかを、あらためて思いました。長いスパンで見て、最後の2試合で勝利のためにやっていたことを、1年間通してやらないとダメです。

――以前、柏が降格した時と比べて、J2の戦術レベルは相当に高くなっているよ。

大谷 J2で戦うという覚悟が必要です。以前に降格となって、その時は、目の前の試合に勝つことが昇格につながったと思います。1試合1試合を戦って勝っていく。サポーターのみなさんは、苦しくても声援してくれるので、その期待に応えられるようなプレーを見せるだけです。

――J2で戦った時は“J2での戦い方”を意識していた?

大谷 特にしてないですよ。自分たちが、そのゲームで勝つために何をしないといけないのかを考えてプレーしていました。その積み重ねの結果だったので。ただ、開幕ダッシュは心掛けたいです。昨季は開幕からうまく行かなかったから。よく思うのは、何をやったらJ1に上がれるのかという特別なものはないと思います。とにかく、柏にいる選手が柏を代表してプレーしているという気持ちで戦うのが一番だと思います。

――現在のJ2のレベルについて思うことは?

大谷 そうですね、(J1参入)プレーオフがあるから、最後まで気を抜ける試合がないですし、戦術のレベルが上がっていると思います。一発で仕留める外国籍の選手はJ1の方が多いと思いますが、しっかりとしたサッカーをするチームが多いと感じます。試合数が多いのでタフじゃないと乗り切れないんですよね。

――咋季、納得できなかったことは?

大谷 チームとして一貫性がなかった。戦っているのは選手なので、問題は選手にあります。前半はクロスからの失点が多く、80分過ぎからの失点が増えてしまった。ピッチ内の問題があった。あとは選手が、いまプレッシャーに行っていいのか、ボールを引き出しに行っていいのか、あるいは、プレッシャーに対して周りがついていっていいのか、迷いがあった。ある程度自由を与えられた時に、それぞれでやりたいことがピッチ内で出ていた。相手からしたら、そうしたことが見えてしまったら、難しい対戦相手にはならない。それぞれがチームとして戦えてなかった。まあそこは、監督が整理する部分だと思いますが。

――大谷くんは、チーム内でどこまでそのことを発言したの?

大谷 シモ(下平隆宏元監督)さんの時もノゾム(加藤望元監督)さんの時もケン(岩瀬健前監督)さんにも、いろいろな話をしました。けど、選手内で感じている部分と監督が感じているものが違う。最終的に決めるのは、監督です。そこは尊重をしました。ただ、もう少し守備の方をなんとかしないと、という話はしました。その中で、それぞれのポジションから見れば、FWの選手ならばもう少し前から行きたいとか、ディフェンスラインの選手からすれば、前から行ったら厳しいですよね。それぞれがそれぞれの立ち位置から話が多かったです。攻撃にしても、決め切るところで、決めきれない。そうした点も、トレーニングの中でやるべきことでした。それから、選手をターンオーバー気味にやりくりしていたので、たんだんとかみ合わなくなってしまった。

――加藤望監督の時は具体的にどうだった?

大谷 失点が多いのは体力が足りないとことにあると考えていたようです。実際、就任してからのキャンプなんかでも、よく走りましたから。戦術的なポジションについてというよりも、とにかく体力を付けることに重要視しました。シモさんの時の「ボールを大切にしよう」ではなく、「縦に早くボールを送る」になりました。そうしたやり方をやっていった中で、一辺倒になってしまった。攻撃する際に、押し上げがない。走らなければいけない時に走れない。そこで大きくサッカーが変わりました。結果も出なかったですし。サッカーの難しさを感じましたね。

――大谷くんにとって理想的な状況とはどういうものですか?

大谷 普段の練習も、ストレスなくやれれば。ピッチ内で戦い方が整理されている。仲間を信頼して、ここにボールが来たらこうやればいいという共通な理解ができる。

――2019シーズンについて一言お願いします。

大谷 覚悟を持ってやらないと、と思っています。1年通して、長いスパンで戦えたらいいですね。

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