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原口元気に見る「J1は甘くない」現実 月イチ連載「大人になった中坊コラム」

【中坊(ちゅうぼう)プロフィール】
1993年~2024年で997試合。特定のクラブのサポーターではなく、関東圏内中心でのべつまくなしに見たい試合へ足を運んで観戦するスタイル。
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 やや刺激的なタイトルかもしれないが、これは昨シーズンの9月以降から半年近く彼のプレーを見てきた上で、忖度抜きの自分の感想である。

 現在、浦和レッズに所属する原口元気。その経歴については、今さら多くを語るまでもないが、実力も知名度もある日本を代表するMFだ。

・2009年、17歳で浦和レッズとプロ契約を締結。同年、スタメンを確保。
・2014年から2024年までの10シーズンにわたり、ドイツ・ブンデスリーガでプレー。
・日本代表には2011年に初選出されて以降、コンスタントに出場を積み重ね、トータル74試合に出場。
・国際大会では2018年ワールドカップ・ロシア大会に出場。右サイドハーフのスタメンを掴み、ラウンド16のベルギー戦で先制点を挙げる活躍。
・ワールドカップ最終予選では、史上初となる4試合連続得点を記録。

 2024年9月、Jリーグに、そして浦和に10年ぶりの復帰。2025年シーズンは背番号も9に変更し、副キャプテンに就任した。そんな原口だが、復帰以降のプレーを見ていると「もはやJ1では通用しないのではないか」という感想を抱いてしまう。

 昨シーズンは「逆輸入で加入直後であり、コンディション不良」というエクスキューズがあった。

 昨シーズンのJリーグでMVPを受賞した武藤嘉紀も、2021年8月にニューカッスルからヴィッセル神戸に加入した直後はそうだった。ヨーロッパからJリーグに戻ってきた際、即座にフィットするのが困難であることは理解できる。

 原口の場合、起用されたポジションが、慣れないボランチだったことも不運だった。岩尾憲がシーズン途中退団、サミュエル・グスタフソンが怪我のため、サイドハーフが本職の原口がボランチで起用されている。結果、パフォーマンスは良くなかった。

 今シーズンは、途中加入だった昨シーズンとは違い、開幕前のキャンプから参加している。コンディションも整い、本領発揮。ついに真価が問われる時がきた──。

 原口自身、開幕前にはJリーグ公式のインタビュー動画にて、下記の通り力強い宣言を残していた。

 何のために(ヨーロッパから)帰ってきたかと言うと、このクラブを優勝に導くため。浦和は30年間で1回しか優勝できてないことを選手もフロントも全員が目を背けてはいけないと思う。僕自身、本当にそこだけにフォーカスしたい。僕ならできるという自身もある。それが試合を重ねるごとに確信になっていけるシーズンにしたい。

 だが今季、ここまでのプレーを見る限り、完全に期待を裏切る内容となっている。

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