「THE国立DAY」と招待チケット、そしてコラボ企画 知られざるJリーグのマーケティング戦略を探る<3/3>
■神戸や清水が国立でホームゲームを行うことの是非
──先日発表された、2025年の国立開催について伺いたいと思います。開幕節が東京ヴェルディvs清水エスパルス。その後は少し空いて、4月と5月に集中して、最後が11月9日のFC町田ゼルビア対FC東京となっています。ばらつきがあるのは、国立の工事が理由でしょうか?
鈴木 そうです。来年は世界陸上があるわけですが、国立の運営が新しい民営会社に移管されて、それに伴う工事なども一部入ってきます。それらの合間を縫ってJリーグを開催することになるため、このような集中開催となっています。GWを含めた4月から5月に盛り上がりの大きな山をつくるべく、集中してプロモーション実施する計画です。
──国立でホームゲームを開催するのは、在京や首都圏のクラブが多いですが、ヴィッセル神戸vsアルビレックス新潟、清水エスパルスvs名古屋グランパスといったカードもあります。神戸や清水のサポーターからすれば「なぜホームなのに、わざわざ東京に行かなければならないんだ」と感じる人もいると思います。そもそもホーム&アウェイという、リーグ戦の原則にも反するように感じるのですが、その点についてはいかがでしょうか?
鈴木 そういったご意見があることは、われわれも十分に認識していますし、ある意味で当然の主張だとも思っています。ただし2025年の「THE国立DAY」の施策については、Jリーグが各クラブに強制しているわけではないんですよ。これらのカードについては、基本的にクラブ側から手を挙げていただき、Jリーグと協議した上で実施することが前提になっています。
──つまり、神戸と清水が「国立でやりたい」と意思表示したと。
鈴木 国立開催に際しては、さまざまな調整をしているのですが、基本的にはそういうことです。クラブ側の思惑としては、首都圏在住のファン・サポーターにも身近でホームゲームの雰囲気を味わってほしいとか、国立開催によってファンベースをさらに拡大したいとか、そういったものがあるかと思います。もちろん、国立での頻度が多すぎたら問題でしょうけれど、年に1回くらいでしたらコアなファン・サポーターも許容していただける範囲なのかなと思っています。
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