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宇都宮徹壱ウェブマガジン

JリーグIDの「ターニングポイント」となったコロナ禍 知られざるJリーグのマーケティング戦略を探る<2/3>

生活協同組合とJリーグが「似ている」意外な理由

──鈴木さんが所属されている事業マーケティング本部ですが、その下にマーケティング部以外も部署があるのでしょうか?

鈴木 事業マーケティング本部の下に、マーケティング部とプロモーション部と商品化事業部という3つの部署があります。私が責任者を務めているのがマーケティング部で、規模感でいうと正社員が9名ですね。兼務や出向の方も含めると、その倍ぐらいになります。

──それぞれの部署の役割をわかりやすく説明してください。

鈴木 プロモーション部は、メディア露出やイベント企画を通して、Jリーグのファン・サポーター以外にも情報発信して、幅広くJリーグを認知・関心を喚起するのがミッションです。マーケティングは、それを受けての集客の最終コンバージョンであり、いかにリピートしていただけるかを考えるのが役割です。そして商品化事業部は、ファンになっていただいた方に購入していただくグッズなどを企画・販売する部署になります。

──なるほど、よく理解できました。ここであらためて、鈴木さんのキャリアを伺いたいのですが、大学を卒業して社会人としての最初の着地点が、日本生活協同組合連合会。いわゆる生協ですよね。生協がどうJリーグにつながるのか、非常に興味深く感じていたのですが。

鈴木 私が配属されたのは生協の本部でして、そこで今と同じようなto Cマーケティングをやっていたんですよ。実は生協とJリーグって、構造が似ていると思っています。生協の場合、全国に地域生協があって、日本生活協同組合連合会には多くの会員生協が参加されています。ただし、本社と支社みたいな関係性ではなく、本部が旗振り役をして、一緒にやっていきましょうという感じです。

──まさに、Jリーグと60クラブの関係性に近いイメージでしょうか?

鈴木 構造としては、すごく似ていると思っています。実はJリーグに入る採用面接の時にも、そんな話をさせていただいて盛り上がった記憶があります(笑)。

──最初の就職先に生協を選んだのは、何か理由があったのでしょうか?

鈴木 強い意志があったかっていうと、ちょっと怪しいんですけど(苦笑)、よくある上場企業ではない面白さは感じていました。全国の地域生協と上手く連携しながら、政策提言みたいなこともやっていたので、そういった仕事上のダイナミズムに惹かれた部分はありましたね。

──生協には10年勤務して、その後はキリンホールディングスに転職されます。理由は?

鈴木 ずっとマーケティングの仕事をしていて、その道を極めようと考えた時に、生協は必ずしも本流ではないと感じていたんです。生協では、マーケティングの基盤を作る仕事が多かったんですけれど、そこで得た知見を全国規模のブランドを持つ企業で働いてみたい。そうして考えた時、当時のキリンホールディングスが、食品メーカーのデジタル組織としては中では最も規模が大きくて、一番先進的だったんです。それで30代になって、そこでチャレンジさせていただくことになりました。

──とはいえ、キリンには2年しかいなかったんですよね?

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