【無料再掲】「いろんな色のユニフォームを着た人たちが楽しめるお店にしたい」ふくやん(KITEN!店長)インタビュー<2/2>
■スポーツバーは「中継がない日の営業も考えないといけない」
──スポーツバーというお仕事について伺いたいのですが、客商売ってけっこう大変な仕事だと思うんですよ。実際のところ、サラリーマン時代と比べて収入はどうですか?
ふくやん 間違いなく下がりましたね(苦笑)。ただ下がった分、税金も安くなったし、妻も働いてくれているので、それで何とかという感じです。それに加えて、お店を休むわけにはいかないので、アビスパの遠征も数は減りました。最近はようやく、スタッフにお店を任せられるようになったので、関東の試合には行けるようになりましたけど。
──「自分もこういうお店をやりたい」と言って、アドバイスを求められることってあります?
ふくやん ありますよ。まず、収入が少ないわりには大変です、という話はします。あと、実際に平塚でお店を始めた方に言ったんですけど、重要なのは試合がない曜日をどうするかですよね。ベルマーレのアウエー戦のときはお客さんが来るかもしれないけど、次のアウエー戦まで2週間あるとして、その間の13日間をどうするかということですよ。それは僕自身、お店を始めるときにスポーツバーを経営している方から言われたことでした。スポーツ中継を見せることも大事だけど、中継がない日の営業もよく考えないといけないというのは、まさに鉄則だと思っています。
──たまにKITEN!に遊びに行くと、お客さんが2人しかいない時がありますよね。
ふくやん ありますよ、普通に(笑)。というか、毎日20人とか30人呼ぶのは無理なんですよ。ウチは予約しないと入れないような敷居の高い店ではないし、ものすごく美味しい料理を出しているわけでもなくて、「時間があればふらっと遊びにおいで」というスタンスでやっているんです。ただ、お客さんを集める日とそうでない日のメリハリはつけるようにしていますね。たとえば週末に満席になりそうな試合があったり、イベントの予定があったりしたら、ウイークデーはそんなにお客さんがいなくても大丈夫、みたいな。ですから売り上げに関しては、1週間トータルで見るようにしています。
──なるほど。ところで今季からJリーグの中継がスカパー!からDAZNに変わったわけですけど、準備は大変でした?
ふくやん DAZNに関してはギリギリまで状況を見極めていましたね。どうもスカパー!にサブライセンスを売ることはないだろうと判断したのが去年の後半くらい。そこから視聴方法について自分なりに調べて、ウチはモニターが3台あるので、それぞれDAZNと契約しました。
──画質についていろいろ言われていますが、お客さんからのクレームはありませんでした?
ふくやん 画質はネットの速度で変わってくるので、ネット環境さえ安定していればこれまでどおりの画質で見ることができます。ウチは今、Fire TVを直接LANケーブルにつないでやっているので、まあまあ安定していますね。ただ、開幕戦のガンバ大阪とヴァンフォーレ甲府の試合は、やっぱり観られませんでしたが。あの時は、それなりにお客さんがいたので、ちょっと慌てましたね。
──結局、どうなりました?
ふくやん たまたまお店にいたお客さんが、YouTubeで試合が観られることを発見したんですよ。Jリーグの試合って、海外でもクジの対象になっているじゃないですか。それで誰かが配信していたんじゃないですかね。もちろん画像は荒いし、カクカクしていましたけれど、DAZNで見られなかった映像は見ることができたので、急きょそれをお客さんに見せることにしました。まあ、これも「KITEN!を利かせた」ということになるかと思いますが(笑)。