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RYUKYU SOCCER PRESS

#沖縄SV「MF冨久田の一撃で首位浮上。苦境を跳ね返した勝点3の価値」【JFL 第5節】vs. 飛鳥FC

 

【第27回日本フットボールリーグ  / 第5節 / 2025年4月6日13:00キックオフ / 沖縄市陸上競技場 / 入場者数 294人/ 雨、弱風、気温 17.4℃、湿度 90% / 良芝】

 

沖縄SV 1-0 飛鳥FC

得点者:
23分 冨久田 和真(沖縄SV)

 

 

 

 

【マッチレポート】

JFL第5節。沖縄SVは今季昇格組の飛鳥FCに1-0で勝利。リーグ戦3連勝を達成し、ついにリーグ首位へと浮上した。難しい試合ではあったが、苦しみ抜いた末に得た勝点3は、何よりも重みのある結果となった。

 

雨天の悪条件、攻めあぐねた前半

立ち上がり主導権を握ったのは飛鳥FC。前線からのプレスが冴えわたり、ピッチコンディションを味方につけながら、沖縄SVのビルドアップを封じた。

対する沖縄SVは滑りやすい芝に翻弄され、なかなかリズムをつかめないまま前半20分。自陣でのパスミスからカウンターを浴び、PKを献上するという厳しい展開に。しかし、飛鳥FCのキッカーが放ったシュートはゴールポストを直撃。命拾いした沖縄SVは、この直後に試合の流れを手繰り寄せた。

 

冨久田の一発で流れを変える

前半23分、MF村田達哉のドリブルで一気にゴール前へ攻め込むと、相手DFのクリアが甘く、こぼれ球にPA内左で冨久田和真が鋭く反応。左足で放った一撃はゴールネットを揺らし、チームに待望の先制点をもたらした。

「まぐれじゃなく、狙って打ったゴールです」と語った冨久田。冷静にゴール左隅を突いたそのシュートは、彼にとって今季初ゴールであり、チームを救う貴重な得点となった。

 

後半は集中力で完封、守備陣が意地を見せる

後半もいくつか決定機を作りながら追加点には至らなかったが、沖縄SVは守備の集中を切らさず、DF藤崎将汰を中心に堅守を維持。最後まで飛鳥FCにゴールを許さず、完封勝利を収めた。

「このところ毎試合失点していたので、ゼロにこだわった」と語った藤崎キャプテンの言葉どおり、守備陣の奮闘が光る試合となった。

この試合で最も象徴的だったのは、DF陣の立ち直りだ。立ち上がりこそ飛鳥FCのハイプレスに苦しんだが、藤崎を中心に声をかけあい、時間の経過とともに守備を修正。矢口駿太郎、沼田圭悟、篠田翔太のDF3人も、それぞれポジショニングやビルドアップ時の判断を的確に調整した。後半、飛鳥FCに許したシュート数はわずか2本。数字がその奮闘を物語っている。

 

指揮官が語る収穫と課題

試合後、小野木玲監督は「内容は評価しづらいが、勝ちにつなげられたのは自信になる」とコメント。前半の入りの悪さを反省点に挙げつつも、1点を守り切った粘り強さを評価した。

また、追加点を奪うためのクオリティ向上を課題とし、「もう1点を取りにいくアクションが必要」と強調。サイド攻撃の可能性についても、「逆サイドのスペースをうまく使い、仕掛けの精度を高めることが今後のカギになる」と語った。

冨久田の得点シーンについては「瞬間的な判断力と、チーム全体の前向きな切り替えから生まれたもので、決して偶然ではない」と高く評価している。

 

「この1勝も通過点」藤崎主将の強い意志

藤崎は「この1勝も、他の1勝と変わらない。1試合1試合を積み重ねていくことが大切」と語り、浮かれることなく次戦への集中を強調した。

首位に立ったとはいえ、まだリーグ序盤。選手たちは確実に目の前の課題に向き合いながら成長を続けている。苦しい時間帯を乗り越え、自分たちの現在地を確かめた沖縄SVはここからさらに進化を遂げるだろう。

 

次節に向けて

沖縄SVは13日の第6節、アウェーでミネベアミツミFCと対戦する。上位浮上を果たした今、追われる立場としてより高い完成度が求められる。それは戦術だけでなく、技術・体力・メンタル、そして「チームとして戦い切る力」が試される。

小野木監督が語る「自分たちが目指すサッカー」の質をさらに高め、連勝を伸ばしていきたい。結果を出しながら進化を続ける。今の沖縄SVにはその力と雰囲気が確かに宿っていた。

 

取材・編集:仲本兼進(RYUKYU SOCCER PRESS)

 

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