【サッカー人気2位】【浦和を語ろう・激論編】セレッソ戦を前向きに厳しく振り返る…

kumamoto Football Journal

【マッチレビュー】第28節 vs. 水戸ホーリーホック/連敗は止めたが、追いつかれて勝ちきれず。

20160811水戸戦

12日は、遠征に帯同しなかった選手は午前中練習したが、遠征メンバーは熊本に帰って来て午後からのリカバリー、約40分。次節に向けてトレーニングできるのは前日の13日のみとなる

  • 明治安田生命J2リーグ第28節
  • 水戸ホーリーホック 1−1 ロアッソ熊本
  • 得点/黒木晃平(30分:熊本)、ロメロ・フランク(53分:水戸)

 

連敗は止めたが、前半に奪った先制点を守りきれず、追いつかれての引き分け。倍のシュートを打たれるなど危ない場面もありながらよく耐えていたからこそ、エアポケットのように隙を突かれた53分の失点が非常に悔やまれ、また勝点1を得たにも関わらず「2を失った」感覚が強い。ともあれ、今シーズンは水戸に勝てなかった。この結果、勝点30で山形、讃岐と並ぶが得失点差で18位に後退。19位・群馬との勝点差はわずかに1、さらに20位・岐阜との勝点差は4となっている。

 

この数試合、課題だったゲームの入りは、先発に復帰した巻誠一郎と清武功暉の2トップの動きを中盤もよく見てテンポ良くボールを動かし、さらにサイドに起点を作って少ないタッチで背後を狙うという意図は表現。プレッシャーにもメリハリを利かせ、序盤は簡単に相手に前を向かせない対応を見せる。ただし、徐々にセカンドボールを水戸に拾われるようになると、押し込まれる場面も。それでも前後の距離をコンパクトに保って押し上げ、特に左右サイドバックが高い位置を取れていたことで、攻撃では厚みを出した。30分、左の片山奨典からのクロスがファーへ流れたが、これを拾った黒木晃平が切り返して自ら持ち込み左足ミドルで先制に成功。1本目の左からのクロスに対する中央の枚数は少なかったものの、逆サイドでの準備と黒木の好判断による仕掛けが得点に結びついた。その後、40分に船谷圭祐にシュートを許す場面があったが、佐藤昭大が防いで前半は無失点で折り返す。

しかし後半、水戸は船谷を下げて前線に久保裕一を投入。前線のターゲットが平松宗と2人になったことで前半に比べて前に圧力がかかり始める。53分の失点場面は、人数は揃っていたもののスペースに抜け出したロメロ・フランクをフリーにしてしまったものだが、その直前からボールサイドに人が寄せられ、逆サイドや空いたスペースへの意識が薄れている印象はあった。長崎戦での失点のように決してアラートできていなかったわけではないし、人も揃っていた。にも関わらず失点してしまったのは、距離感やポジショニング、バランスの悪さ、あるいは「球際で行ききれず」(高柳一誠)しっかり抑えることができなかったのが要因だ。

追いつかれて以降、ゲームの終盤にかけては、パスが通らず幸いしたがーー失点場面同様にボールの逆サイドで相手を浮かせるなど危ない場面も少なくなかったこともあり、展開としては、よく逆転されずに1失点で踏ん張ったという印象もある。

「ゲームの入りは改善されてきて、前半を0で終わることができた。それでも後半の入りは相手も圧をかけてくる。1520分ごろまでは跳ね返して自分たちのリズムを作らないといけない」と清川浩行監督は言い、高柳も「相手の流れを止めるとか、自分たちに流れを持ってくる、そのタイミングを逃さないようにしないといけない」と振り返る。

リードした展開で迎えた後半をうまく運べなかったことに加え、追加点が奪えなかったことが大きく関係しているのは、高柳の言葉の解釈を広げれば分かる通りだ。シュート数そのものは結果に直結しないし、ただ数を多く打てばいいというわけではない。それでも、アタッキングサードやサイドの深い位置までボールを運んだ場面の数からすれば、そこからシュートへ結んだ回数は少ない。「打てる場面で打てていないこともある」(清川監督)だけでなく、その1つ前の仕掛けやクロス、あるいはコンビネーションでボックス内へ入って行こうとする回数は、ゲームを通じて多くなかった。それはつまり、自分たちの流れに持って来れなかったということであり、相手に対して脅威を与える攻撃ができなかったということでもある。

「修正すべき点は、個人個人、分かっていると思う」と、佐藤は言う。次のゲームまで中2日、まずは再び、意識を変えることが求められる。

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