【無料記事】【記者会見 J1第29節 福岡-神戸】「攻守にわたる少しずつの差が点数に出てしまったと反省している」/長谷部茂利
2024明治安田J1リーグ 第29節
日時:2024年9月1日(日)19:03キックオフ
会場:ベスト電器スタジアム/12,344人
結果:アビスパ福岡 0-2 ヴィッセル神戸
得点:[神戸]大迫勇也(45+1分、82分)
◎長谷部茂利監督(福岡);
Q:試合を振り返って
「1人ではないんですけれども、10番を中心に相手の選手たちにいろいろとやられたなという想い、それが今の感想です。もちろん、失点をした場面もそうですけれども、それ以外も試合巧者、この競技において必要なことがいろいろありますが、そのいろいろができる。サッカーの局面で言うと、全部の場面で相手に少しずつ上回られて、またゴールという意味では2失点もしてしまいました。それ以外にも危ないシーンもありましたし、また自分たちはチャンスもあったのに入れられなかったという意味では、今言った少しずつの差が点数に出てしまった、結果に出てしまったと、そういうふうに反省しています」
Q:今おっしゃられたように、随所に相手のクオリティが高かったという印象は受けましたが、選手たちは精一杯持っている力は出したのではないかと思います。だからこその悔しさみたいなものがあるのではないかと思いますが、ロッカールームでは、どんな言葉をおかけになられたのでしょうか?
「よくやってくれたと。『運動量も含め、気持ちも含め、前面に出して戦ってくれた』という話をした中でも、その時間があったと思うし、そういうプレーもしていたと思うんですけども、初めからそれを連続して、少し回数を多くはできなかったのかなというふうに思うんですね。おっしゃるように、相手が上手だった、巧みだったというところはあると思うんですけれども、それはもう分かっていたことで、それをも把握しながら自分たちがチャンスを作る、ボールを奪うという場面がいくつかありました。オープンな展開になったと思うんですけれども、そういうプレーを望んでるわけではありませんが、そういうプレーも自分たちらしさだと思うので、言葉だけではなくて、積極性、アグレッシブというのを、もう少し出せたら、もう少し変わった展開になったんじゃないかなというふうに思っています」
Q:ボールを奪って攻撃のスイッチが入る瞬間、そこに大きな差があったように感じました。
「攻守にわたって『スイッチの入り方』という表現は合ってると思いますけれども、基本的に大きく違うところはボールを扱う技術が違います」
Q:今節も岩崎選手が2列目での起用ということになりました。プレッシングですとか、クロスですとかで貢献していたと思います。改めて狙いと評価をお願いします。
「彼の前での攻守にわたったスピードだったり、運動量だったりというところを生かしてくれたと思うし、貢献してくれたと思います。けれども周りとうまく合わせることが少しできなかったのかなということと、相手が巧みなので、それも見られている中でプレーしなくてはいけないので非常に難しかったと思います。ただ、彼ならその難しいタスクをやれるという想いであのポジションでやってもらっていますけれども、努力をしてチームが前半でいうと0-1、交代直前のPKも含めて、よくやってくれたと思います。ただ彼に対して、私もそうですけれども、チームメイトがもっとアジャストして合わせていかなくてはいけない。彼も周りと合わなくてはいけない。そうすれば、もっともっとゲームの中で貢献できるし、生かされると思うんですね。ここ最近、彼なりの難しさが出ているのかなというのは感じていますけれども、それを克服するときが、おそらく次の試合、また次の試合、もう目の前まで来ていると思うので、そういうふうに考えてます。貢献はよくしてくれています」
Q:前半の飲水タイムまではアビスパの良い時間もあったと思うんですけれども、飲水タイムを挟んで向こうが流れを引き戻したというような印象でした。あの辺りの流れについて、どのような指示だったのかも含めて教えていただけないでしょうか?
「指示は、ここではちょっと言えないんですけれど、多少なり修正、三つぐらい修正しながらコーチから選手に伝えたこともあります。ただ、やはり巧みですね。あの時間を使って彼らは押し返してきたというか、自分たちが押されていたのを感じていて、流れを変えられるような自分たちのプレーをしてきた。いとも簡単に相手の流れになったような気もしますし、そこから失点してしまうという形になっていったと思うんですけれども、それはゲームの中でもそうですし、飲水タイムの時間でもそうですし、その辺がやはり一枚も二枚も上手だったなというふうに感じています」
Q:神戸戦になかなか勝ちきれないということもそうですけれども、点が取れないという試合が続いています。メンバーが変わってるからというのもあると思いますが、これまでの数年間を通してなかなか点が取れないというところにフォーカスすると、どういったところに神戸戦での攻撃の課題があるとお考えでしょうか?
「攻撃の回数を増やすこととゴール前での質はずっと課題ですけれども、今日のところで言うと、チャンスは少なかったですけれどあったと思うので、そういうところで決めきることができれば1点差のゲーム、もしくは引き分けという形に持っていけたと思うんですけれども…。答えが分かれば点数を取るチームはたくさんあると思うんですけれども、トレーニングをして積み上げてやっているつもりですが、簡単にはその答えが出せない。あるいは答えは見つかっている、分かっているはずなんですけれども、それがなかなか最後のタッチ、フィーリングというか…。セットプレーからもあるし、繋ぎからもあるし、クロスからもあるし、単独で行く場合もありますし、カットインしてシュートしている選手もいますよね。そういう形は作れてはいるんですけれども、先ほど言ったように、回数は少ないですけれど…。その回数を増やしていくことと、また新たなやり方とか、新たな人間が変えることができるかもしれませんし、点数を取れないことに対して一言で言うと責任は感じています」
Q:1失点目のところですが、大迫選手のシュートはもちろん、その前の武藤選手の運び、井手口選手とのワンツーなど、元日本代表の3人の素晴らしいプレーだと思いますが、あの場面で敢えて守備の課題を挙げるとしたら、どんなところになるのかということと、特にどんなところに差があると感じられましたか?
「止めるのが難しいプレーですね。正確で速くて動きも巧みです。最後のところもそうですけれども、あれを止めるのは難しいので、あそこに行く前に、あの形にならないようにしなくてはならないというのが修正課題だと思います。最後のところは、戻りながらというか、相手から離れながらシュートを打つのは非常に難しいし非常に巧みです。マークにつくのはすごく難しいんですね。それをいとも簡単に決めてしまう。シュートのコースも良いですし、タイミングも良いですし、強さも良いですし、止めることは難しい。だから同じようなプレーを自分たちはしたいし、練習、トレーニングしているんですけれども、簡単にやられてしまうと悔しいというか。構造上、相手から離れてボールを受けると先に触れますよね。そういうプレーを分かっていて正確にできるというところ。自分たちが目指しているプレーを簡単にやられてしまっています。分かってはいるんですけれど、難しいですね、止めるのは」
[中倉一志=取材・構成・写真]