【サッカー観戦術/ゲームの流れ】スライディングは最後の最後の手段です
【サッカー観戦術/ゲームの流れ】
■スライディングは最後の最後の手段です
相手からボールを奪うために、あるいは相手の勢いを止めるために、スライディングをする選手は、守備が上手な選手とは言えません。一見、ファイトあふれるプレーヤーに見えるかもしれません。身体を張って相手の攻撃を阻止したプレーは、見ている人をワクワクさせるのかもしれません。だからと言って、その選手は守備が上手いとは限らないです。もっと言えば、守備が上手くないからスライディングをするのです。
スライディングは、相手からボールを奪うことが目的となります。その場合、スライディングを行うのは、最終手段の一つだということを忘れてはなりません。
スライディングした選手は、グラウンドに寝転がってしまいます。立ち上がって戦闘態勢に入るまで時間がかかります。もしも、スライディングをしても相手からボールを奪えなかったならばどうなるでしょうか? つまり失敗したのならどうなるのかということです。すぐに次の動作に移れずに相手に追いつことができません。そうしたデメリット理解して考慮して、選手が最終手段で使っているのかどうかが重要になってきます。
先にも言いましたが、スライディングをする選手は気合が入っているとか、気持ちがプレーに表れているとか、そう捉える人もいるかもしれません。しかし、スライディングをしなければならないというのは、そのプレーの前にマズいことがピッチで起きているからだと考えた方がいいでしょう。「マズいこと」とは、判断ミスで相手に追いつけなかった場合や、相手に振り切られて後追いしなければならない場合のことを指します。
だから、相手のボールに届かないスライディングや、相手の足元を刈ってファールをもらうスライディングをする選手は、明らかに上手くない選手と言えます。
川本梅花