「母が亡くなってからも一緒に寂しさを分かち合ってくれました」 マスコットに救われた話 ひろみ(徳島ヴォルティスサポーター)
月イチ連載の「マスコットに救われた話」。タイトルそのままに、マスコットが大好きな方々に、毎回「マスコットに救われた話」について語っていただく。
今回ご登場いただくのは、徳島ヴォルティスのサポーターで、ヴォルタくん&ティスちゃん推しのひろみさん。実はひろみさん、ただマスコットを愛でるだけでなく、実にユニークな形でヴォルタくん&ティスちゃんとの交流をつづけている。
マスコットウォッチャーの間では有名だが、ティスちゃんのリボンは毎試合ごとに色やデザインが変わっている。そしてよく見ると、ヴォルタくんの尻尾には対戦相手をイメージさせる、オブジェ(いわゆる「尻尾飾り」)がくっついているのである。
これらを製作しているのが、ひろみさん。しかも2015年から10年にわたり、ずっと続けているというから驚きだ。果たして、どんな経緯があったのだろうか。さっそく、ご本人に語ってもらうことにしよう。(取材日:2025年4月1日=オンラインにて収録)
【編集部より】当連載は随時インタビュイーを募集中。XでのDM、もしくはメールにて、以下の情報をお送りください。
・メールでの件名「マスコットに救われた話」
・お名前(ハンドルネーム可)
・連絡先(メールアドレス、LINEなど)
・お仕事
・推しマスコット
・どのように「救われた」のか(簡単に)
infotetewm@targma.jp までお願いします。
※これまで登場したマスコット(ファジ丸、ゼルビー、ドーレくん、ヴァンくん&フォーレちゃん、ヴィヴィくん、ガンズくん、しかお、東京ドロンパ、アルディ&ミーヤ、リヴェルン、ふろん太、レイくん、ヴォルタくん&ティスちゃん)以外のマスコット推しの方が採用される可能性が高いです。なお、自薦・他薦を問いません。
■2005年、地元の徳島に待望のJクラブができて
今季のヴォルティスは、調子いいんですよ。ホームでは今のところ負けなし。昨シーズンに比べると、とてもいい雰囲気の中でゲームを楽しめています。それとJ2で四国勢が増えたのも嬉しいですね。今季はFC今治が昇格してきて、一気に賑やかな感じになってきました。そんな中、ヴォルタくんとティスちゃんの周りにも、多くの人が集まって盛り上がっています。
生まれも育ちも徳島市です。今でこそ、ポカスタでヴォルティスの試合を楽しんでいますけれど、Jリーグが始まってしばらくの間、四国にJクラブはひとつもありませんでした。ですから最初は、ヴェルディ川崎を応援していたんです。今もそうですが、ラモス(瑠偉)さんが大好きなんです。京都パープルサンガ時代は、キャンプで徳島に来てくれていましたし。
(徳島の前身の)大塚製薬が一時期、Jリーグを目指そうとしていたときは、私も署名しました。山の中にある徳島市球技場で、JFLの試合を観たこともあります。お客さんはそんなにはいなかったですね。あの当時、徳島にJクラブができるなんて、夢のまた夢でした。だからこそ、2005年に徳島ヴォルティスとしてJリーグ入りしたときは、本当に嬉しかったです。
地元でJリーグが観られるようになってからは、母とポカスタに通うようになりました。父は私が20代のときに亡くなっていたので、ずっと母と娘のふたり暮らし。母もラモスさんの大ファンでした。そんなにサッカーに詳しくはなかったけれど、たまに「なぜこっちにパスを出さないのかしら」って、ぼそっと言うんです。周りからは少し、一目置かれていましたね(笑)。
■推しの選手と入れ替わるように登場したマスコットたち
ヴォルティスの試合を観るようになって、推しになったのがGKの島津虎史選手でした。2006年から3年連続でJ2最下位だったのに、熱いハートでずっと最後尾で頑張ってくれていました。2009年にジェフ千葉に移籍してしまって、少しだけポカスタに行くモチベーションが下がったんですけれど、入れ替わるように現れたのが、ヴォルタくんとティスちゃんでした。
忘れもしない、2009年7月20日ですよ。ヴォルティスのマスコットがお披露目されたのは。あまりの可愛さに涙が出そうになりました。しかも、その日に記念撮影でティスちゃんと手をつなぐことにも成功(笑)! マスコットが狸なのは、小松島市にある金長大明神に、商売繁盛の狸が祀られているのが理由です。『平成狸合戦ぽんぽこ』のモデルにもなっているんですよ。
マスコットたちとの関係性が、より密になったのは2015年。この年から、ヴォルタくんの尻尾飾り、そしてティスちゃんのリボンを作るようになって、ホームゲームがあるときに渡すようになりました。実は私、高校時代から手芸が大好きだったんです。最初、ティスちゃんにリボンを作ってあげたのがきっかけで、ヴォルタくんの尻尾飾りもプレゼントするようになりました。
2017年からは、対戦相手のイメージしたものを作るようになりました。最近のでいうと、大宮アルディージャ戦でのオレンジとネイビーのリボンとか、V・ファーレン長崎戦での佐世保バーガーを模した尻尾飾りとか。ただし2018年は、しばらくポカスタに行けなくなりました。母が体調を崩して入院したからです。その間、病室で製作してはクラブに送っていましたが。
写真提供:ひろみさん
(残り 1401文字/全文: 3550文字)
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